□11月23日(水)
ソロモンによって確立した
列王記第一2:13-46(46)
聖書本文
2:13 あるとき、ハギテの子アドニヤがソロモンの母バテ・シェバのところにやって来た。バテ・シェバは「平和なことで来たのですか」と尋ねた。彼は「平和なことです」と答えて、
2:14 さらに言った。「お話ししたいことがあるのですが。」すると彼女は言った。「話してごらんなさい。」
2:15 彼は言った。「ご存じのように、王位は私のものでしたし、イスラエルはみな私が王になるのを期待していました。それなのに、王位は転じて、私の弟のものとなりました。【主】によって彼のものとなったからです。
2:16 今、あなたに一つのお願いがあります。断らないでください。」バテ・シェバは彼に言った。「話してごらんなさい。」
2:17 彼は言った。「どうかソロモン王に頼んでください。あなたからなら断らないでしょうから。王がシュネム人の女アビシャグを、私に妻として与えてくださるように。」
2:18 そこで、バテ・シェバは「いいでしょう。私から王にあなたのことを話します」と言った。
2:19 バテ・シェバは、アドニヤのことを話すために、ソロモン王のところに行った。王は立ち上がって彼女を迎え、彼女に礼をして、自分の王座に座った。王の母のために席が設けられ、彼女は王の右に座った。
2:20 彼女は言った。「あなたに一つの小さなお願いがあります。断らないでください。」王は彼女に言った。「母上、その願い事を聞かせてください。断ることはしませんから。」
2:21 彼女は言った。「シュネム人の女アビシャグを、あなたの兄アドニヤに妻として与えてやってください。」
2:22 ソロモン王は母に答えた。「なぜ、アドニヤのためにシュネム人の女アビシャグを願うのですか。彼は私の兄ですから、彼のためには王位を願ったほうがよいのではありませんか。彼のためにも、祭司エブヤタルやツェルヤの子ヨアブのためにも。」
2:23 ソロモン王は【主】にかけて次のように誓った。「アドニヤがこういうことを言ってもなお自分のいのちを失わなかったなら、神がこの私を幾重にも罰せられるように。
2:24 【主】は生きておられる。主は私を父ダビデの王座に就かせて、私を堅く立て、約束どおり私のために家を建ててくださった。アドニヤは今日殺されなければならない。」
2:25 こうしてソロモン王は、エホヤダの子ベナヤを遣わしてアドニヤを討ち取らせたので、彼は死んだ。
2:26 それから、王は祭司エブヤタルに言った。「アナトテの自分の地所に帰れ。おまえは死に値する者だが、今日はおまえを殺さない。おまえは私の父ダビデの前で【神】である主の箱を担ぎ、父といつも苦しみをともにしたからだ。」
2:27 こうして、ソロモンはエブヤタルを【主】の祭司の職から追放した。シロでエリの家族について語られた【主】のことばは、こうして成就した。
2:28 この知らせがヨアブのところに伝わった。ヨアブはアブサロムにはつかなかったが、アドニヤについていたのである。ヨアブは【主】の天幕に逃げ、祭壇の角をつかんだ。
2:29 ソロモン王に「ヨアブが【主】の天幕に逃げて、今、祭壇の傍らにいる」という知らせがあった。するとソロモンは、「行って彼を討ち取れ」と命じて、エホヤダの子ベナヤを遣わした。
2:30 ベナヤは【主】の天幕に入って、彼に言った。「王がこう言われる。『外に出よ。』」彼は「いや、ここで死ぬ」と言った。ベナヤは王にこのことを報告した。「ヨアブはこう私に答えました。」
2:31 王は彼に言った。「彼が言ったとおりにせよ。彼を討ち取って葬れ。こうして、ヨアブが理由もなく流した血の責任を、私と、私の父の家から取り除け。
2:32 【主】は、彼が流した血を彼の頭に注ぎ返される。彼は自分よりも正しく善良な二人の者に討ちかかり、剣で虐殺したからだ。彼は私の父ダビデが知らないうちに、イスラエルの軍の長である、ネルの子アブネルと、ユダの軍の長である、エテルの子アマサを虐殺したのだ。
2:33 二人の血は永遠にヨアブの頭と彼の子孫の頭に注ぎ返され、ダビデとその子孫、および、その家と王座には、とこしえまでも【主】から平安があるように。」
2:34 エホヤダの子ベナヤは上って行き、彼を打って殺した。ヨアブは荒野にある自分の家に葬られた。
2:35 王はエホヤダの子ベナヤを彼の代わりに軍団長とした。また、王は祭司ツァドクをエブヤタルの代わりとした。
2:36 王は人を遣わしてシムイを呼び寄せ、彼に言った。「エルサレムに自分の家を建て、そこに住むがよい。だが、そこからどこへも出てはならない。
2:37 出て行ってキデロンの谷を渡った日には、おまえは必ず死ななければならないと覚悟しておけ。おまえの血の責任はおまえ自身の頭上に降りかかるのだ。」
2:38 シムイは王に言った。「よろしゅうございます。しもべは王様のおっしゃるとおりにいたします。」このようにしてシムイは、何日もの間エルサレムに住んだ。
2:39 それから三年たったころ、シムイの二人の奴隷が、ガテの王マアカの子アキシュのところへ逃げた。シムイに「あなたの奴隷たちが今、ガテにいる」という知らせがあったので、
2:40 シムイはすぐ、ろばに鞍を置き、奴隷たちを捜しにガテのアキシュのところへ行った。シムイは行って、奴隷たちをガテから連れ戻した。
2:41 シムイがエルサレムからガテに行って帰って来たことが、ソロモンに知らされた。
2:42 すると、王は人を遣わし、シムイを呼び出して言った。「私はおまえに、【主】にかけて誓わせ、『おまえが出て、どこかへ行った日には、おまえは必ず死ななければならないと覚悟しておけ』と警告しておいたではないか。すると、おまえは私に『よろしゅうございます。従います』と言った。
2:43 それなのになぜ、【主】への誓いと、私がおまえに命じた命令を守らなかったのか。」
2:44 王はまたシムイに言った。「おまえは心の中で、自分が私の父ダビデに対して行ったすべての悪をよく知っているはずだ。【主】はおまえの悪をおまえの頭に返される。
2:45 しかし、ソロモン王は祝福され、ダビデの王座は【主】の前でとこしえまでも堅く立つ。」
2:46 王はエホヤダの子ベナヤに命じた。ベナヤは出て行ってシムイを討ち取り、シムイは死んだ。こうして、王国はソロモンによって確立した。
聖書 新改訳2017 ©2017 新日本聖書刊行会 許諾番号 4-1009-2
日毎の糧
ソロモンは王となりましたが、王国はまだ不安定な状態でした。兄のアドニヤが王位継承に対する望みを放棄していなかったためです。アドニヤはバテ・シェバのところに行き、シュネム人のアビシャグを妻として与えてほしいとお願いしました。バテ・シェバは彼の願いを快く受け入れました。それで、バテ・シェバはソロモン王のところに行き、兄のアドニヤに、アビシャグを妻として与えてほしいとお願いしました。この話を聞いたソロモンは、アドニヤの野心を知り、怒りました。なぜならアビシャグはダビデ王の晩年に王の世話をしていた女性であり(1:3,4)、アビシャグを妻として迎えるということは、間接的に王位を占領することになるからです。アドニヤは、主がソロモンを王として立てた(15)と言っていますが、実は自分が王になりたいという考えを捨てきれずにいました。ソロモンはアドニヤを知っており、このまま彼を生かしておくことはできませんでした。それで、ベナヤを遣わしてアドニヤを討ち取らせました。また、エブヤタルを祭司の職から罷免しました。次に、理由もなく血を流した罪によりヨアブも打ち殺しました。その後、ベナヤを彼の代わりに軍団長とし、ツァドクを祭司長に任命しました。また、ダビデを呪ったシムイについてはエルサレムに留まるように命じましたが、彼がこれを破ったため、討ち取りました。
ソロモンは父の遺言通りに、知恵をもって、公正に行動しました。彼が人情に囚われたり、感情に縛られたりしていたとしたら、絶え間ない葛藤に苛まれたことでしょう。しかし、彼は知恵をもって、様々な問題を公正に解決したので、国を確立することができました。神様の側に立って、知恵と公正によって行うなら、国は堅く確立します。
祈り:主よ、あなたの側に立ち、知恵と公正によって行うことで、集まりを確立できることを学びます。どうか人情や感情に打ち勝つことができるようにしてください。
一言:公正にしましょう
【日ごとの糧】(daily bread)とは
【日ごとの糧】は個人的に、毎日欠かさず聖書を黙想し、生活と一体化するよう助ける案内書です。今日の御言葉を毎日黙想するためのQT教材です。
三ヶ月ごとに定期的に出版し、4年間で聖書全巻を学ぶことができるように編集されています。
教会の早朝祈り会、家庭礼拝、その他の集まりで今日の御言葉として活用されています。
特に、このような集まりで受けた御言葉の恵みを書いてお互いに発表すれば、聖徒の交わりと信仰の成長に大きな助けとなります。
弊宣教会は1968から【日ごとの糧】を出版しており、現在も複数のスタッフ(幹事、牧師)によって執筆され、3ヶ月ごとに定期的に出版しております。日本UBFの日ごとの糧は、英語・韓国語の日ごとの糧を元に翻訳・編集されたものです。
「日ごとの糧に関するご意見・ご要望、メール配信希望・配信停止については、以下のリンク先よりお問い合わせください。
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