2015年 05月 09日 (土)
報復を恐れたヤコブ
ヤコブがシェケムの地に住んでいた時、一つの事件が起こりました。レアがヤコブに産んだ娘ディナがその土地の娘たちを尋ねようとして出かけた時、その土地の族長のヒビ人ハモルの子シェケムがディナをはずかしめてしまいました。すると彼はディナに心をひかれ、ディナと結婚したいと思うようになりました。それでシェケムの父ハモルは、ヤコブと話し合うために、出て来ました。
ヤコブの息子たちは、これを聞いて心を痛め、ひどく怒りました。シェケムがヤコブの娘と寝て、イスラエルの中で恥ずべきことを行なったからでした。そこで彼らは悪だくみをしました。それは、シェケムの町の男子がみな、割礼を受けるなら、シェケムの町の民と一緒になる、というものでした。そうとは知らないシェケムの町のすべての男子は割礼を受けました(24)。三日目になって、ちょうど彼らの傷が痛んでいるとき、ヤコブのふたりの息子シメオンとレビがその町を襲い、全ての男子を殺して、ディナを連れ出しました。その話を聞いたヤコブの心情はどうだったのでしょうか。「あなたがたは、私に困ったことをしてくれて、私をこの地の住民カナン人とペリジ人の憎まれ者にしてしまった。私には少人数しかいない。彼らがいっしょに集まって私を攻め、私を打つならば、私も私の家の者も根絶やしにされるであろう。」(30)。ヤコブは、愛する娘ディナがカナン人によってはずかしめを受けたことに対する怒りよりも、カナン人とペリジ人から受ける報復を恐れていました。やっとの思いで手に入れた安住の地に、住めなくなった悲しみにつつまれていました。愛する妹を犯された兄シメオンとレビの気持ちを理解することができませんでした。
祈り:主よ!私がどんな犠牲を払うことがあっても、神様の目にかなったことを行なえるように助けてください。
一言:聖なる怒り
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