□9月11日(水)
アブネルとヨアブの無謀な戦い
サムエル記第二2:12-32(14)
聖書本文
2:12 ネルの子アブネルは、サウルの子イシュ・ボシェテの家来たちと一緒にマハナイムを出て、ギブオンへ向かった。
2:13 一方、ツェルヤの子ヨアブも、ダビデの家来たちと一緒に出て行った。こうして彼らはギブオンの池のそばで出会った。一方は池の手前側に、もう一方は池の向こう側にとどまった。
2:14 アブネルはヨアブに言った。「さあ、若い者たちを出し、われわれの前で闘技をさせよう。」ヨアブは言った。「よし、そうしよう。」
2:15 ベニヤミンの側、すなわちサウルの子イシュ・ボシェテの側から十二人、ダビデの家来たちから十二人が順番に出て行った。
2:16 彼らは互いに相手の頭をつかみ、相手の脇腹に剣を刺し、一つになって倒れた。それで、その場所はヘルカテ・ハ・ツリムと呼ばれた。それはギブオンにある。
2:17 その日、戦いは激しさを極め、アブネルとイスラエルの兵士たちは、ダビデの家来たちに打ち負かされた。
2:18 そこに、ツェルヤの三人の息子、ヨアブ、アビシャイ、アサエルがいた。アサエルは野のかもしかのように、足が速かった。
2:19 アサエルはアブネルの後を追った。右にも左にもそれずに、アブネルを追った。
2:20 アブネルは振り向いて言った。「おまえはアサエルか。」彼は答えた。「そうだ。」
2:21 アブネルは彼に言った。「右か左にそれ、若い者の一人を捕らえ、その者からはぎ取れ。」しかしアサエルは、アブネルを追うのをやめず、ほかへ行こうとしなかった。
2:22 アブネルはもう一度アサエルに言った。「私を追うのはやめ、ほかへ行け。なぜ、私がおまえを地に打ち倒さなければならないのか。どうやって、おまえの兄ヨアブに顔向けができるというのか。」
2:23 アサエルはなおも拒んで、ほかへ行こうとしなかった。それでアブネルは、槍の石突きで彼の下腹を突いた。槍はアサエルを突き抜けた。アサエルはその場に倒れて、そこで死んだ。アサエルが倒れて死んだ場所に来た者はみな、立ち止まった。
2:24 しかしヨアブとアビシャイは、アブネルの後を追った。太陽が沈んだとき、彼ら二人はギブオンの荒野への道を通り、ギアハの反対側にあるアンマの丘までやって来た。
2:25 ベニヤミン人はアブネルに従って集まり、一団となって、一つの丘の頂に立った。
2:26 アブネルはヨアブに呼びかけて言った。「いつまでも剣が人を食い尽くしてよいものか。その果ては、ひどいことになるのを知らないのか。いつになったら、兵たちに、自分の兄弟たちを追うのをやめて帰れ、と命じるつもりか。」
2:27 ヨアブは言った。「神は生きておられる。もし、おまえが言い出さなかったなら、確かに兵たちは、明日の朝まで、それぞれ自分の兄弟たちを追うのをやめなかっただろう。」
2:28 ヨアブは角笛を吹いた。それで兵たちはみな立ち止まり、それ以上イスラエルの後を追わず、戦いを続けることはなかった。
2:29 アブネルとその部下たちは、一晩中アラバを通って行った。そしてヨルダン川を渡り、午前中歩き続けてマハナイムに着いた。
2:30 一方、ヨアブはアブネルを追うのをやめて帰った。兵たちを全部集めてみると、ダビデの家来十九人とアサエルがいなかった。
2:31 ダビデの家来たちは、アブネルの部下であるベニヤミン人のうち三百六十人を討ち取っていた。
2:32 彼らはアサエルを運んで、ベツレヘムにある彼の父の墓に葬った。ヨアブとその部下たちは一晩中歩いて、夜明けごろヘブロンに着いた。
聖書 新改訳2017 ©2017 新日本聖書刊行会 許諾番号 4-1009-2
日毎の糧
アブネルの軍とヨアブの軍がギブオンの池のそばで出会いました。彼らは平和の挨拶をして自分の道を行くことができました。しかしアブネルは若い者たちを出して闘技をさせようとヨアブに提案しました。それに対してヨアブも同意して、各軍から十二人ずつを出して戦わせました。こうした彼らの力比べは殺し合いにまで発展し、その無謀な戦いは全面戦争をもたらしました。ヨアブの兄弟アサエルは、野のかもしかのように、足が速い人でした。彼はアブネルのあとを追いました。アブネルはアサエルの方に振り向いて自分を追うのをやめてほかへ行くように警告しました。しかし、アサエルは、アブネルを追うのをやめず、ほかへ行こうともしませんでした。結局、アブネルは、槍の石突きでアサエルを突き刺しました。槍はアサエルを突き抜け、そこでアサエルは死にました。その後、アンマの丘で、ベニヤミン人は一団となってアブネルを護衛しました。ヨアブが角笛を吹いたので、兵士たちはイスラエルの後を追うのをやめました。しかし、彼らの無謀な力比べはヨアブの部下十九人とアサエル、アブネルの部下三百六十人の命を奪ってしまいました。アブネルとその部下たちはマハナイムに、ヨアブと彼の部下たちは、ヘブロンに戻りました。
指導者の血気と傲慢のために多くの部下たちが命を失いました。彼らはしてはならない戦いを部下達にさせてしまったのです。何でも最初が肝心です。一度事が起こったら、お互いに手に負えなくなります。私たちも、何かを始める時は、まず祈り、深く考えなければなりません。あまり考えずに自分の野心と傲慢によって始めると、終わりが悪くなってしまいます。時には何もしないでいることが、より大きな事を成すこともあります。私たちが衝動的に何かを始めるよりも、祈り、深く考えて正しいことを行うことができるように祈ります。
祈り:自分の感情や勢いで物事を始めようとする傲慢さがあることを悟ります。決断する前に主の前でよく祈り、主の御心を深く考えてから、行動に移すことができるようお助けください。
一言:正しいことを行う
【日ごとの糧】(daily bread)とは
【日ごとの糧】は個人的に、毎日欠かさず聖書を黙想し、生活と一体化するよう助ける案内書です。今日の御言葉を毎日黙想するためのQT教材です。
三ヶ月ごとに定期的に出版し、4年間で聖書全巻を学ぶことができるように編集されています。
教会の早朝祈り会、家庭礼拝、その他の集まりで今日の御言葉として活用されています。
特に、このような集まりで受けた御言葉の恵みを書いてお互いに発表すれば、聖徒の交わりと信仰の成長に大きな助けとなります。
弊宣教会は1968から【日ごとの糧】を出版しており、現在も複数のスタッフ(幹事、牧師)によって執筆され、3ヶ月ごとに定期的に出版しております。日本UBFの日ごとの糧は、英語・韓国語の日ごとの糧を元に翻訳・編集されたものです。
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