ヨセフは家族をゴシェンの地に住まわせた後、兄弟たちの中から五人を連れて、パロと引き合わせました。パロがヨセフの兄弟たちに、「あなたがたの職業は何か。」と尋ねた時、彼らは「羊を飼う者です。」と答えました。すると、パロはヨセフの家族がゴシェンの地に住むことを承諾しました。それから、ヨセフは父ヤコブを連れて来て、パロと面談しました。ヨセフはパロの臣下として、パロに対して忠実でした。
　ヨセフは、パロの命じたとおりに、彼の父と兄弟たちを住まわせ、彼らにエジプトの地で最も良い地、ラメセスの地を所有として与えました。ききんの間、ヤコブの家族は、エジプトの地で、パロに守られる生活をするようになりました。全てがヨセフの計画した通りになりました。しかし、ヨセフはそれに満足しませんでした。１２節をご覧ください。
「またヨセフは父や兄弟たちや父の全家族、幼い子どもに至るまで、食物を与えて養った。」ヨセフは、ヤコブの家族がエジプトの地で生活をするのに、何の支障もないように配慮し、必要な食糧を供給しました。
　このヨセフを通して、私たちがどのような姿勢で生きるべきかを学ぶことができます。職場生活においては、上司に対し、任された仕事に忠実であるべきです。また、家族に対しては、親として、子としての役割を果たすことが大切です。

祈り：主よ！私が職場でも、家庭でも、自分に任されたことに忠実であるように、助けてください。

一言：任されたことに忠実

　ききんが非常に激しく、全地に食物がありませんでした。エジプトの地もカナンの地もききんのために衰え果てました。それで、ヨセフは穀物の代金として集めた銀をパロの家に集めました。その時、エジプト人がみなヨセフのところに来て、食物を求めました。彼らには銀がありませんでした。それでもききんのために、どうすることもできず、ヨセフに憐れみを求めました。その時、ヨセフは食物の代金として家畜を差し出すようにしました。その次の年は、全農地を代価として差し出させました。このようにして民たちが差し出した土地は全てパロのものとなりました。そして、民を、エジプトの領土の端から端まで町々に移動させました。
　ヨセフは民に言いました。「私は、今、あなたがたとあなたがたの土地を買い取って、パロのものとしたのだから。さあ、ここにあなたがたへの種がある。これを地に蒔かなければならない。」そして、収穫の五分の一をパロに治め、残りの五分の四は民のものとし、畑の種のため、家族の食糧とさせました。民たちは、ヨセフの命令に心から従いました。そして、「収穫の五分の一になるという」おきてができました(26)。
　ヨセフは、ききんの時、民たちのいのちを救っただけではなく、民心をパロに向けさせました。

祈り：主よ！私が自分のことよりも、神様の御前で忠実であるように助けてください。

一言：忠実なしもべ

　ヤコブは、エジプトに住んでから十七年が過ぎ、今ヤコブの年は百四十七歳になり、死ぬ時が近づいて来ていることを悟りました。彼はヨセフを呼んで、エジプトの地には葬らず、先祖たちが眠っている約束の地、先祖たちの墓に葬ることを、誓わせました。ヤコブは、自分は死んで行くが、神様が約束通りに、彼の子孫をカナンの地に導いてくださることを確信しました。ヤコブの人生を顧みると、苦難の連続だったカナンの地とは違い、エジプトに下って来てからは、富と栄華を受けました。しかし、彼は、この地がしばしとどまる地に過ぎないことを、忘れませんでした。そして彼の望みは、ただ神様の約束の地にありました。私たちは、この地がいくら豊かで、生活できる場であるとしても、ここは、しばらくの間、とどまる地に過ぎないことを知らなければなりません。それで、私たちの望みを、新しい天と新しい地に置いて、聖なる旅人として生きなければなりません。
　ヤコブは死ぬ前に、ヨセフの二人の子ども、マナセとエフライムを自分の子どもとして、彼らを祝福しました。ヤコブは、自分の十二人の子どもたちの中で、誰よりもヨセフを愛し、ヨセフの二人の子どもを自分の子どもとすることによって、ヨセフを他の子どもたちよりも、二倍祝福することを願いました。その時、彼は自分の神様を覚えました。今まで、自分の羊飼いとなり、自分を導き、守り、訓練してくださった神様を覚えました。この神様に、エフライムとマナセの羊飼いになってください、と祈りました。ヤコブの神様は、その人生を導かれる羊飼いです。

祈り：主よ！私が試練の多い人生の中で、神様が私の羊飼いであることを信じて、生きるように助けてください。

一言：私の羊飼いである神様