聖書別日ごとの糧   >>   出エジプト記[2021]

2021年 08月 12日 (木)

出エジプト記37:1-29(29)
命じられた通りに作った

 37章には、聖所の中にある用具について書かれています。ベツァルエルは契約の箱と宥めの蓋、供えのパンのための机、燭台、香の祭壇と香油を作りました。主の幕屋建築において最も重要な部分です。25-31章ですでに述べられた内容が、再度そのまま書かれています。それらの章では「作る、作らなければならない」と命令形で書かれているのに対して、37章では「作った」と完了形になっています。

 幕屋と用具に関して、同じ内容を繰り返して記録した理由は何でしょうか。「主の山で仰せられた通りに作った」と一言で済ませればいいものを、なぜこのような記述方法を取ったのでしょうか。この反復法を通して、イスラエルの民が徹底的に主の命令を実行したことを表そうとしたのです。美術におけるデカルコマニー技法(同じ模様を反転させて左右対称につくる技法)のように、神様が命じられた通りに民が行ったことを生々しく伝えています。彼らは以前、神様から十の戒めを直接頂きながらも、金の子牛の偶像を造ってしまいました。彼らは神様の御言葉に聞き従いませんでした。うわべだけの従順で、実際には偶像に仕えていました。自分たちの都合に合わせて時には神様、時には偶像を呼び求めていました。そんなイスラエルの民が、神様に命じられた通りに主の幕屋を作りました。祭司の王国、聖なる国民となるビジョンを見事に見せてくれました。主の民は、主にのみ仕え、主に命じられた通りに実行する民です。



適用:主の命令に聞き従っていますか

一言:命じられた通りに


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