聖書別日ごとの糧   >>   ネヘミヤ記[2022]

2022年 12月 14日 (水)

ネヘミヤ記5:1-13(10)
負債を帳消しにしよう

 民たちが力を尽くして城壁の修復を行なっていた時、内的な障害がありました。指導者たちが貧しい民たちを対象に、高利貸し業を行なっていたことです。さらに、ききんと重なり、苦しむ者たちが増えて行きました。ある人は、穀物を得るために、畑とぶどう畑、家を抵当に入れました。ある人は負債を負って、税金を払わなければなりませんでした。夫妻と高い利子を払いきれずに、子どもたちを奴隷として売る場合もありました。つらい時、同族たちを助けることができないばかりか、高利貸しをして、貧しい人々を利用しようとすることはどれだけ悪いことでしょう。民たちの「恨み」に満ちた叫び声を聞いて、ネヘミヤはひどく憤りました。利己的な有力者たちと代表者たちを責めました。ネヘミヤをはじめ主だったユダヤの指導者たちは、捕虜として連れて行かれた同族たちを帰還させるために、多くの犠牲を払いました。ところがある人たちは、同族たちの痛みを利用して、自分たちの利益をむさぼっていました。これは、約束の民が決してやってはいけないことでした。神様は同族の間で利息を取ってはいけないと禁じておられました(申23:19,20)。

 ネヘミヤは、まず自分が手本を見せました。彼自身、お金と食料を貸しましたが、利子を取りませんでした。ほかの人々にも、百分の一の利子も取らずに、返すようにと提案しました。それで、全ての人々が同族から利子を取らないことを決断しました。このことは、共同体の中での内部分裂を防ぎました。共同体の中に一致があると争いも防ぐことが出来ます。共同体の中に不一致が生じれば、心を一つにして、外部の敵と戦うことができません。心を一つにする聖霊の共同体を作るためには、自分がまず譲歩しなければなりません。困っている人を憐れみ、顧みなければなりません。ことばだけを先立たせるのではなく、まず仕えること、献身に努めることが大事です。そうすれば、総督ネヘミヤのように全ての人々は心からついて行くようになります。



祈り:主よ、あなたを恐れつつ歩み、愛の共同体を築けますように。

一言:まず仕える手本を見せよう



2022年 12月 15日 (木)

ネヘミヤ記5:14-19(15)
自分の権利を主張しなかった指導者

 ネヘミヤは、総督として、自分がまず率先して手本を見せる生活をしました。彼はユダの地の総督として任命された十二年間、手当を受けませんでした。総督としての手当てを受けることは、正当なことですが、貧しく生活している同族のことを考え、正当な権利さえも放棄しました。彼の目的は、総督としての権利を受けることではありませんでした。民たちの苦しみと痛みに寄り添い、共に城壁再建の御業を成し遂げることでした。前任の総督たちは、民たちから、パンとぶどう酒と銀四十シェケルを取りたてました。また、民たちを圧制しました。しかし、ネヘミヤは神様を恐れていたために、民たちを治めませんでした。多くのお金持ちが土地を買いましたが、彼は自分の財産を増やすことに、力を使いませんでした。ただ、城壁の修復工事に全力を注ぎました。

 ネヘミヤは150人の民の指導者たちを食卓に招いて、共に交わりました。さらに、異邦人たちの中でも、ユダヤ人たちに好意的な者たちは、積極的に受け入れ、共同体の一員にしました。ここにかかる費用は莫大なものでした。しかし彼は民たちの心を得るために、自身の財産を犠牲にしました。民たちに負担をかけさせないように、総督としての自身の手当も要求しませんでした。このように献身的な愛のリーダーシップを発揮すると、民たちは感動して、ネヘミヤと共に、城壁の修復の働きに全身全霊を注ぎました。彼は神様の助けを求める祈りの人でした。リーダーシップの資質は彼にもともと備わっていたものではありません。民たちへの愛と献身がある時、民たちが自発的にそのリーダーについて行くようになります。イエス様は神様の御子でしたが、神としての御姿に固執されませんでした。かえって自分を低くし、仕える犠牲のしもべとなりました(ピリピ2:6-8)。それ故、私たちはイエス様の生涯に感動を受け、自ら献身する牧者の生活ができるようになりました。



祈り:父なる神様、あなたの栄光のために生きたいと願っています。あなたが喜ばれること、人々のためになる仕えが出来ますように祈ります。

一言:仕えと犠牲の手本を見せよ


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