聖書別日ごとの糧   >>   エステル記[2023]

2023年 05月 02日 (火)

エステル記2:1-23(10)
出身を明かさなかったエステル

 クセルクセス王は、ワシュティの代わりの王妃を選ぶため、全国から容姿の美しい未婚の娘をスサ城に集めました。そこにエステルも王宮に連れて行かれました。彼女の両親は亡くなっており、孤児だった彼女を叔父のモルデカイは引き取り、娘として養育しました。モルデカイはベニヤミン族の子孫でした。エステルは姿も美しく、顔立ちもよく、彼女が王宮に入ると、モルデカイは毎日後宮の庭の前を行き来し、エステルの安否と、彼女がどうされるかを知ろうとしていました。また、モルデカイはエルテルに自分の民族や、生まれの素性を明かさないようアドバイスしました。

 エステルがユダヤ人であることをなぜモルデカイは伏せるように話したのでしょうか。ユダヤ民族としてのアイデンティティが欠落していたのではありません。捕虜の民として異邦の地で生きてゆくことは、リスクが多かったためです。エルテルはモルデカイの助言に従いました。彼女は王妃になっても、自分の民族、自分の生まれをあかしませんでした。あかしはしませんでしたが、与えられた状況の中で謙遜になり、最善を尽くすよう努めました。こうしてエステルは、彼女を見るすべての者から好意を受けていました。王はほかのどの女よりもエステルを愛し、彼女を王妃としました。

 自分が誰であるかを明かすことより、生き様を通して見せることの方が、人から認められ、好意を受けることがあります。口でクリスチャンであることを話すよりも、生活の中でキリストに従い、与えられた仕事に最善を尽くす時、周囲の人から好意を受けることがあります。



祈り:私の言動にキリスト者の香りも雰囲気もなく、世と同じように振る舞っていることを悔い改めます。私の一挙手一投足にまであなたに生かされていることの感謝と恵みが滲みますように祈ります。

一言:生き方を通してキリストの香りを


<<(1)    前のページ(1)    2    次のページ(3)    (9)>>

聖書別日ごとの糧