遊女が暗い道ばたで人々を誘惑するのとは対照的に、知恵は多くの人々が行き来する道の傍らにある丘の上、通り道の四つ角、町の入り口の正門のそばなどで、声を上げて呼びかけます。「浅はかな者たちよ、賢さを身につけよ。愚かな者たちよ。良識をわきまえよ。」（5）。知恵は高貴なことを語り、公正な真実を述べ、不義を忌み嫌います。いつも正しいことを話し、曲がったことやよこしまはありません。知恵は暗い所とじめじめした所を嫌い、知恵ある者にはっきりと現われます。

　知恵はどんな宝より尊いものです。知恵は金や選り抜きの黄金よりもすぐれ、真珠にまさり、どんなものも比べることができません。知恵を得る者は賢さを住みかとし、知識と思慮を所有するようになります。摂理とすぐれた知性を得るようになります（14）。また知恵を通して王たちは国を統治し、君主たちは正義を判定し、国の指導者と裁判官は民たちを治めるようになります。

　ではどのような人が知恵を得るようになるのでしょうか。「わたしを愛する者を、わたしは愛する。わたしを熱心に捜す者は、わたしを見出す。」（17）。知恵を愛し、熱心に捜す者たちが、知恵を得ることができます。知恵を得る者は神様の祝福を受け、富と財産も得るようになります。

祈り：主よ、私が知恵の御言葉を愛し、知恵を得るために熱心に捜す者となるように助けてください。

一言：知恵を熱心に捜せば、得るようになる

　著者は知恵の源は何であるのかを明らかにしています。知恵は果たしてどんな存在であり、なぜ人はそれほどまでに捜し求めなければならないのでしょうか。知恵は、神様が天地をお造りになる前から、神様と共におられました（22,23）。また天地万物を造られた時も、神様と共におられ、全ての創造の御業に参加されました。そして人々のために肉のからだでこの地に来られました。

　この知恵は初めから神様と共におられた神様の御子「イエス・キリスト」を指しています（ﾖﾊ1:1-3）。イエス・キリストは神様の知恵であられ（Ⅰｺﾘ1:24）、キリストのうちに知恵と知識のすべての宝が隠されています（ｺﾛ2:3）。私たちはイエス様を通して神様と共にいることができます。

　知恵が呼ぶ声を聞き、その道を守る者は幸いです。また訓戒を聞いて、日々知恵を待つ者は幸いです。なぜなら、知恵すなわちイエス・キリストを得る者は、いのちを得て神様から恵みをいただくようになるからです（35）。しかし、知恵を失う者は自分自身を痛めつけ、結局は死に至るようになります（36）。だからこそ、私たちは知恵であられるイエス・キリストを受け入れ、その御言葉に絶対的に聞き従わなければなりません。イエス・キリストを得る者は、全てのものを得ます。

祈り：主よ、知恵は単なる概念ではなく、イエス様ご自身のことであることを学びます。そんなイエス様が、私の内にともにいて下さることを感謝致します。私が日々イエス様に頼ることで、知恵ある信仰生活、知恵ある生き方が出来るように祈ります。

一言：神様の知恵、イエス・キリスト