聖書別日ごとの糧   >>   伝道者の書[2023]

2023年 05月 13日 (土)

伝道者の書2:12-26(24)
神様の御手による喜び

 知恵は愚かさに優っています。光が闇に優っているのと同じです。知恵ある者は、その頭に目があり、光の中で明らかに行います。反面、愚かな者は、闇の中で迷って歩いています。しかし、知恵のある者も愚かな者も、結末は同じです。どちらにも死は訪れます。知恵のある者も愚かな者と同じように日がたつと、一切は忘れられてしまいます。伝道者は、「知恵があっても何の益になろうか」と嘆きます。

 伝道者は、日の下で骨折った一切の労苦を憎むと言います。自分のすべての労苦の結果を、跡を継ぐ人たちに渡さないといけないからです。次の世代の人たちは、労苦することなく得た遺産や偉業を、無駄に使ってしまうでしょう。このことを思うと、いったい自分は何のために労苦したのかと絶望します。これは、労苦をやめよという意味でしょうか。伝道者は人が食べて飲んで苦労することが、自分の心を喜ばせることだと言います。一見すると、これまでに述べてきたことと矛盾しているかもしれません。これは、自分の労苦が無駄になるのではないかと心配して過ごすよりも、労苦して得たものを今楽しみ、喜びなさいということです。伝道者から見ると、この喜びは神様から与えられているものです。私たちの生活は労苦の連続です。今日の一日も労苦が待ち構えています。労苦を重ねても、その先の将来はどうなるか誰も分かりません。しかし、労苦の対価として与えられたものに感謝し、それを楽しむべきです。学校、職場、家庭での労苦を辛く思わず、喜んで担うのです。これが労苦ばかりの人生を生きる知恵です。労苦のうちに喜びを味わうことです。神様はご自分がよしとする人には知恵と知識と喜びを与えますが、罪人には集めて蓄える仕事を与えられます。



祈り:労苦はその日その日に十分あることは、その日その日に喜びもあるということです。それを忘れず、神様を覚えて、今日の労苦を担って行けるように祈ります。

一言:労苦の中に神様は喜びをくださる


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