聖書別日ごとの糧   >>   サムエル記Ⅰ[2024]

2024年 05月 21日 (火)

サムエル記第一1:1-18(15)
心を注ぎ出す祈り

エフライム人エルカナに、ハンナとペニンナという二人の妻がいました。ペニンナは多くの子どもを産みましたが、ハンナは子どもを産むことができませんでした。当時、不妊の女性は欠陥があると考えられており、夫にとっても社会的な恥とされていました。しかし、エルカナはハンナをもっと愛しました。そんなハンナをペニンナは侮辱し、彼女をひどく苛立たせ、怒りをかき立てました。ハンナは自分の境遇をとても悲しく感じ、その悲しみと苦しさのゆえ何も食べることができなくなりました。しかし、ある日、彼女は立ち上がります(9)。そして、神様の前に行って、激しく泣きながら祈りました。男の子を与えて下されば、その子の一生を神様にお渡ししますと誓願をしました。ハンナが長い時間声を出さずに祈っていたので、祭司エリは、彼女が酔っていると思い込み、叱りました。ハンナは、自分が心に悩みのある女であること、主の前に心を注ぎ出して祈っていたことを説明しました。エリは一部始終を聞いて、彼女に安心して帰るように祝福しました。

ハンナは自分の運命的な問題の前で、ただ泣いて、悲しむしか出来ませんでした。最初は、夫のやさしい言葉や、いけにえを献げることを通して、慰めを得たかもしれません。しかし、問題は解決するどころか、心はますます痛み、苦しくなりました。ハンナはとうとう、神様の前にありのまま出ていくようになりました。募る憂いと苛立ちを全て主に注ぎ出し、自分の問題を正直に神様に打ち明けました。そして神様の憐れみを切に求めました。このように、心を尽くして神様に求めた時、彼女の心は変えられました。それで、彼女の顔は、もはや以前のようではなくなりました。(18)



祈り:神様、何をしても無駄だと感じ、信仰を持って祈ることすら難しい時があります。しかし、この悲しみと苦しみを神様の前に正直に持って行き、神様にゆだねる時、祈りの道が開かれ、神様の働きがあることを信じます。

一言:神様に注ぎ出しましょう



2024年 05月 22日 (水)

サムエル記第一1:19-28(28)
この子は一生涯、主にゆだねられたものです

 エルカナとハンナが故郷ラマに帰って、夫婦の関係を持つと、主がハンナの誓願を聞いてくださいました。ハンナは妊娠して男の子を産みました。ハンナはその子をサムエルと名付けましたが、その意味は「私が神様に彼を求めた、神に聞かれた」という意味でした。日が改まって、夫のエルカナは、年ごとのいけにえを主に献げ、自分の誓願を果たすために、家族そろって上って行こうとしましたが、ハンナは夫に、「この子が乳離れして、私がこの子を連れて行き、この子が主の御顔を拝して、いつまでもそこにとどまるようになるまでは」と言って、上って行きませんでした。夫のエルカナは彼女の願いを受け入れたので、ハンナはとどまって、その子が乳離れするまで乳を飲ませました。

そして、遂にサムエルが乳離れしました。ハンナは捧げものを準備して、彼を連れて主の家に上りました。ハンナは、自分のいのちのように大事な息子を自分のもとで育てることもできました。しかし、彼女は神様に約束した誓願を覚えていました。神様が自分の祈りを聞いてくださったので、約束通りにその息子を神様に捧げ、彼の一生を神様にささげました。人は、緊急時には、神様に出て行って切実な祈りをささげます。誓願をしながら祈ったりします。ところが、神様が祈りに答えてくださると、祝福を楽しむことしかせず、神様にささげた約束を忘れがちです。ハンナは、自分のした誓願を忘れませんでした。その約束を守りました。私たちにも、神様にささげた約束があるでしょうか。神様の祝福を享受している今、私たちが神様にささげた約束を守ることができるように祈ります。



祈り:祈りが聞かれ、神様から与えられた祝福に喜ぶばかりで、神様にお返しができていない自分を悔い改めます。ハンナを学び、神様との約束を忘れることなく、守っていくことができるよう助けてください。

一言:約束を守る者


<<(1)    次のページ(2)    (9)>>

聖書別日ごとの糧