聖書別日ごとの糧   >>   エゼキエル書[2024]

2024年 10月 10日 (木)

エゼキエル書27:1-36(2)
哀歌を唱えよ

 本文も26章に引き続きツロに関する御言葉です。ツロは過去に華麗なる名声を誇りました。ところが、そんなツロが悲しんで歌う主人公となってしまいました。ツロは海の出入口に住み、多くの島々の民と取引きをしながら、『私は美の極みだ』と言っていました。ツロはセニルのもみの木、レバノンの杉、バシャンの樫の木など、最上級の材料で作られた船のようでした。熟練者が船員となり、海の貿易でますます豊かになりました。タルシシュ、ヤワン、トバル、ユダとイスラエル、ダマスコ、アラビア、シェバなど多くの国々との交易で富みました。ツロは、海の真ん中で富み、大いに栄えました。それだけではなく、国を守らせる傭兵も雇い、城壁とやぐらの中で守らせました。

 そんなツロが、海の真ん中で東風によって打ち破られました。財宝、貨物、商品、水夫、船員、修繕工、商品を商う者、すべての戦士、全集団が海の真ん中に沈んでしまいます。ツロと取引をして、多くの利益を手にしていた者たちも、滅ぼされたツロのため、心を痛めて嘆き、泣き声をあげて哀歌を唱えます。「だれかツロのように海の真ん中で滅ぼされただろうか。」と悲しんで歌います。ツロは自分の富を誇りました。自分たちの栄華が永遠に続くと思いました。神である主に仕えなくても安全であると思いました。多くの国々の民を満ち足らせ、その豊かな財宝と商品で地の王たちを富ませたと思っていました。高慢だった彼らは、神である主が打ち破られたとき、一瞬にして、悲しみの歌の主人公になってしまいました。この世の財宝は永遠なものではありません。この世の栄光もそうです。これらを神である主よりも頼ってしまう人、またそれを誇る人々は、いつか必ず悲しみの歌の主人公になってしまいます。神である主だけが永遠です。主だけが私たちの拠り頼むべき唯一の対象です。主だけが、私たちの真の誇りです。



祈り:主よ、世界は美と富を求めています。私がそれに騙されませんように。私の欲望、虚栄心、そして傲慢をお赦しください。私に謙虚さと質素を追い求める心を与えて下さい。

一言:美と富ではなく、主を追い求めよう


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