聖書別日ごとの糧   >>   歴代誌Ⅰ[2019]

2019年 06月 06日 (木)

歴代誌第一20:1-8(8)
ダビデの勝利とその歴史性

 ダビデの軍隊は、ヨルダン川の東に当たるアモン人の地の町々を陥落させました(1-3)。また、常にイスラエルを苦しめてきたペリシテ(西南部の地中海沿岸)人との戦いで、大きな勝利を収めました(4-8)。ダビデの手によって、北はアラム、東はモアブとアモン、南はペリシテが征服されました。これらの勝利をどのように評価すればよいでしょうか。全て、イスラエルに敵対する町々とダビデが戦って征服し、得た勝利ではありますが、もっと大事なことは、聖書の全体から見るとき、それらは、神様がアブラハムと結ばれた約束の成就であるということです(創15:18-21)。今では、カナンの地がイスラエルの所有であることを否定したり、妨害したりすることは、誰もできなくなりました。ナイル川からユーフラテス川に至るまでのすべてが、イスラエルの影響下に置かれました。こういう点から考えると、このダビデ王の勝利は、イスラエルにとって“歴史性を持っているもの”だと言えます。恐らく、アブラハムと信仰の先祖たちも、約束を守られる神様の真実さに感謝したことでしょう。
 私たちが神の御言葉を掴んで、この世の不義や偽り、汚れなどの罪の勢力に打ち勝って堅く立つことは大切なことです。なぜなら、この勝利は一人だけのものではなく、神の御国を広げていく歴史的な意味ある勝利だからです。また、私たちが覚えなければならないことは、その勝利には、キリストの勝利と救いの御業における神様の約束が成就する、という歴史性があることです。ですから、私一人の信仰の勝利は、偉大な勝利でもあるわけです。私たちが信仰による霊的な戦いをするとき、このような意味が分かると、もっと力を尽くして戦えるようになり、必ず勝利を収めるという確信を持つことができるのです。たとえダビデのような大きな勝利でなくても良いのです。なぜなら、小さなしずくの一滴一滴が集まって大河となるように、一人ひとりの勝利を集めて、神様は、大きな救いの御業を成し遂げられていくからです。


適用:自分の信仰の戦いの歴史的な意味を知っていますか

一言:神の約束を成就する偉大な勝利


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