聖書別日ごとの糧   >>   ヨブ記[2023]

2023年 04月 18日 (火)

ヨブ記 12:1-25(12)
年のたけた者に英知があるのか

ヨブは、友人たちの浅はかな知恵に対して、激しく反論しました。「まさに、あなたがたは地の民。あなたがたとともに知恵も死ぬ。」(2)これは、所詮、あなたたちだっていつかは死んでしまう単なる人間ではないか、あなたたちの知恵も、大した知恵ではなく、いつかは朽ちてしまうという批判の言葉です。ヨブは彼らの上から目線な助言に苛立ちました。また、友であるはずの彼らの態度に、失望を言い表しました。自分が神さまに呼び求めた時には、神様は答えてくださったのに、彼らはヨブを物笑いにしたのです。そして、彼らは因果応報の論理でヨブの受けている試練を説明しますが、世の中を見渡したとき、「荒らす者の天幕には安らぎがあり、神を怒らせる者は安らか(6)」だと言える場合が、沢山あります。因果応報の論理だけでは、説明しきれない現実があります。獣や空の鳥、地や海の魚さえも、そのことを理解しています。

エリファズ達は、自分たちがヨブより年上なので、ヨブより知恵があり、神のこともよく分かっている、と思っていました。それに対してヨブは言います。「年寄りに知恵があり、年のたけた者に英知があるのか。知恵と力とは神様と共にあり、思慮と英知も神様のものだ」(12,13)。年をとると、自分より経験や知恵の勝る者が少なくなります。そのため、若かった頃のように自分を叱ったり、正したりしてくれる人がいなくなってしまいます。そのうち、自分だけが分かっている、という独りよがりな考えに陥る場合があります。そのようにならないために、毎日、知恵の中の知恵であられるイエスさまの言葉を聞き、人に教えるためにではなく、自分自身のために深く黙想することが大切です。人に助言する前に、まずは自分のために御言葉の助言を聞き、それに従うべきです。



祈り:主よ、人を判断する前に、まずは自分自身を神さまの御言葉できよめるべきだと悟ります。あなたの力ある、鋭い剣のような御言葉で、私の心の思いやはかりごとを見分けるように助けてください。

一言:知恵と力は神様と共に


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