聖書別日ごとの糧   >>   ヨブ記[2023]

2023年 08月 03日 (木)

ヨブ記30:1-31(20)
神の沈黙に苦しむヨブ

 昔の繁栄を思い出した後、ヨブは今の悲惨な状況を嘆きます。今ヨブをあざ笑う年下の者たちは、かつて彼が蔑んだ人たちの子です。彼らは谷の斜面や、土や岩の穴に住み、国からむちでたたき出された者たちでした。ところが今、ヨブがそのような人々の笑いぐさとなっているのです。このような経験は、無意味なことのように思えますが、それを通してヨブはみじめな者の苦しみを知り、神様がくださった栄光がどれだけ尊いものなのかを知るようになります。さげすまれることは、良い訓練です。

ヨブの苦しみの中で最もつらいことは、神さまに会えないゆえに、また神さまがなさっていることを理解できないゆえに生じる内面の苦しさです。彼は神さまとの交わりが回復されることを切望していますが、神さまは彼の叫びを聞かれていないかのようです。 そのため、彼の失望と怒りは止まりません。このヨブの苦悩は、十字架にかけられ、「わが神、わが神、どうしてわたしをお見捨てになったのですか。」と叫んだイエス様の苦しみを彷彿とさせます。イエス様もヨブと同じように、それまで献身的に仕え、癒し、助けてきたはずの人々から、見捨てられました。何より、父なる神さまの沈黙を前に死んでいかなければなりませんでした。しかし、イエス様はヨブのように神さまを「あなたは…あなたは…」と突き放して呼ぶようなことはされませんでした(20-23)。最後まで「わが神、わが神」と呼び、苦しみの中で神さまをご自分の神としてあがめられました(マタイ27:26)。



祈り:主よ、私も泥の中で、辛酸をなめました。しかし、神様の愛と恵みは変わらないものであることを信じて、告白します。

一言:わが神、わが神


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