聖書別日ごとの糧   >>   詩篇[2021]

2021年 09月 01日 (水)

詩篇57:1-11(8)
暁を呼び覚まそう

 表題に「サウルから逃れて洞窟にいた時に」とあることから、恐らくこの詩はダビデが逃避中にエン・ゲディの洞窟で書いたと推測されます(Ⅰサム24:1-3)。ダビデは非常に厳しい状況に置かれていました。敵は圧倒的な軍勢や、槍と矢、鋭い剣などで武装し、ダビデを追撃し続けて来ました。ダビデを狙って四方に網を仕掛けたり、穴を掘って置いたりもしました。このようにダビデは絶体絶命の危機に直面していたのです。

そのような中でダビデは主にあわれみを求めます。「私は滅びが過ぎ去るまで御翼の陰に身を避けます」と告白しています。「御翼の陰」は、嵐の中で母鳥の胸に抱かれているひなの姿を思い浮かばせます。目の前の敵の軍勢と強力な武器は強く見え、主の御翼の陰は弱々しく見えます。そういう厳しい状況の中で御翼の陰に身を避けて、本当に助かるのだろうかと思われます。でも、この主の御翼の陰こそ、戦いの中でも、嵐の中でも「安心できる場所」であり、「守られる場所」なのです。ダビデは主の御翼の陰が一番安全であることと、また、そこに身を避ける時、主が天から助けを送って自分を救い、恵みとまことを送ってくださると信じていました。ですから、彼の心はそんな険しい状況の中ででも、決して揺るがなかったのです(7)。

それで彼の心には賛美が沸き上がりました。「私のたましいよ、目を覚ませ。琴よ、竪琴よ、目を覚ませ。私は暁を呼び覚まそう」(8)。まだ人々が眠っている時間に、暁を呼び覚まして主に祈り、賛美をしています。彼のたましいには恐れなど一切ありません。彼は主にあって眠っている自分のたましいを呼び覚ますだけでなく、真っ暗なこの世と絶望的な時代をも呼び覚まそうという思いで切実に祈っているのです。私たちも静かな夜明けに主の前に出て行って切実に祈りましょう。また自分のたましいを呼び覚まし、ハープなどの楽器を鳴り響かせて主に賛美をしましょう。



適用:恐れと落胆の中で眠っていますか

一言:私が暁を呼び覚まそう


<<(1)    前のページ(56)    57    次のページ(58)    (82)>>

聖書別日ごとの糧