1．箴言の目的(1-6)
　「箴言」(Proverbs)とは、生活に有益な「ことわざ」、「格言」、「知恵ある助言」などを意味しますが、聖書の箴言は、ダビデ王の子ソロモンが記録した書物です。この箴言は、人が生きて行くのに必要な知恵(widdom)と訓戒(discipline)を与え、正義と公義と公正とを体得するために、教えています。また、わきまえのない者に分別を与え、若い者に必要な知恵と思慮を与え(4)、知恵のある者には理解を深め、悟りのある者は指導を得ます(5)。箴言の目的は、人々に知恵（知識）を与え、彼らが勝利の人生を歩むように、導くためのものです。特に、箴言は、「若者の書」と言われるほど、若者には有益であり、人生の良き道しるべになります。
2．知識の初め(7)
　「主を恐れることは知識の初めである。愚か者は知恵と訓戒をさげすむ。」(7)。愚か者は知恵と訓戒をさげすみ、自分勝手に考え、判断します。しかし知恵ある者は、神様がお与えになった知恵と訓戒を貴く思い、近くに置きます。何より、神様を恐れることが知識の初めであることを知っています。いつも、神様の御言葉に耳を傾け、箴言の教えに従います。神様を恐れる者が、正しい知識を通して、勝利の人生を歩むようになります。

祈り：主よ！私が若く、足りない点が多くあります。ただ、主を恐れることで、知識のみなもとを得るように、助けてください。

一言：神様を恐れることは知識の初め

1．父の訓戒に聞き従え(8,9)
　「わが子よ。あなたの父の訓戒に聞き従え。あなたの母の教えを捨ててはならない。」(8)。若者たちは、父親の訓戒を時代遅れで、頭の堅い話と考え、母の教えを口やかましいものとして、考えてしまいがちです。しかし、知恵のある若者は父の訓戒に聞き従って心に刻み、母の教えによく従います。両親の訓戒は、まるで、頭にかぶる麗しい花輪であり、首飾りのように貴く、栄光あるものです。若者たちが両親の教えを受け、聞き従うなら、他の人々からも認められ、栄光ある待遇を受けるようになります。また、神様の御言葉にも聞き従うようになり、神様に尊ばれるようになります。
2．利得を貪る者の道(10-19)
　人が神様を恐れ敬い、信仰によって生きようとするなら、多くの誘惑を受けるようになります。特に、悪い友だちが、「一緒に罪を犯そう」と誘惑します。彼らは、しばらくすると、「あらゆる宝物を見つけ出す」と言います。しかし、彼らと共に悪い道を歩んではならず、彼らと一緒に道を歩いてもいけません。彼らの足は悪に走り、血を流そうと急いでいて、何の有益にもなりません。利得を貪る者は、罪の誘惑に落ちて、自分の財産はもちろん、自分のいのちさえも失うようになります(18,19)。金銭を愛することが、あらゆる悪の根です(1テモ6:10)。

祈り：主よ！私が両親の訓戒に従って、不義の利得に対する誘惑に打ち勝つことができるように、助けてください。

一言：両親の訓戒に聞き従う者

1．わたしの叱責に心を留めるなら(20-23)
　神様は、わきまえのない者たちを立ち返らせるために、人々が集まる所で、いつも御言葉を伝えておられます。しかし、人々はわきまえのないことを好み、あざけりを楽しみ、むしろ自分たちに必要な知恵を憎みます。神様は、このような彼らに語りかけておられます。「わたしの叱責に心を留めなさい。」(23a)。神様の叱責に心を留め、悔い改める人は知恵ある者であり、望みがある人です。神様は、立ち返る者たちに、どんな約束をされるのでしょうか。「今すぐ、あなたがたにわたしの霊を注ぎ、あなたがたにわたしのことばを知らせよう。」(23b)。神様は、謙遜に御言葉を聞いて、立ち返る者に、御霊を注いでくださり、神様の御言葉を悟らせてくださいます。叱責された時、立ち返ることが、祝福を受ける秘訣です。
2．わたしの叱責を受け入れなかった(24-33)
　神様が叫ばれたのに、受け入れる者はなく、手を差し伸べて受け入れようとされたのに、顧みる者はいませんでした。むしろ、彼らは神様の忠告を無視し、神様の叱責を受け入れませんでした。それで、このような人々には、さばきの恐怖があらしのように襲いかかり、大きな災難がつむじ風のように襲います。このような者は、いつも苦難と苦悩の中にいます(27)。その時には、いくら神様に叫び求めても、神様は答えてはくださらず、神様を捜し求めても、神様を見つけることはできません。傲慢は滅びに至ります。

祈り：主よ！傲慢な者を、最後まで愛し、叱責されることを感謝します。私が、叱責の御言葉を謙遜に聞いて、悔い改めます。

一言：叱責を聞いた時、立ち返れ