□3月29日(金)


私を思い出してください


ルカの福音書23:26-43(42)      受難週

聖書本文

23:26  彼らはイエスを引いて行く途中、田舎から出て来たシモンというクレネ人を捕まえ、この人に十字架を負わせてイエスの後から運ばせた。
23:27  民衆や、イエスのことを嘆き悲しむ女たちが大きな一群をなして、イエスの後について行った。
23:28 イエスは彼女たちの方を振り向いて言われた。「エルサレムの娘たち、わたしのために泣いてはいけません。むしろ自分自身と、自分の子どもたちのために泣きなさい。
23:29 なぜなら人々が、『不妊の女、子を産んだことのない胎、飲ませたことのない乳房は幸いだ』と言う日が来るのですから。
23:30 そのとき、人々は山々に向かって『私たちの上に崩れ落ちよ』と言い、丘に向かって『私たちをおおえ』と言い始めます。
23:31 生木にこのようなことが行われるなら、枯れ木には、いったい何が起こるでしょうか。」
23:32  ほかにも二人の犯罪人が、イエスとともに死刑にされるために引かれて行った。
23:33 「どくろ」と呼ばれている場所に来ると、そこで彼らはイエスを十字架につけた。また犯罪人たちを、一人は右に、もう一人は左に十字架につけた。
23:34 そのとき、イエスはこう言われた。「父よ、彼らをお赦しください。彼らは、自分が何をしているのかが分かっていないのです。」彼らはイエスの衣を分けるために、くじを引いた。
23:35 民衆は立って眺めていた。議員たちもあざ笑って言った。「あれは他人を救った。もし神のキリストで、選ばれた者なら、自分を救ったらよい。」
23:36 兵士たちも近くに来て、酸いぶどう酒を差し出し、
23:37 「おまえがユダヤ人の王なら、自分を救ってみろ」と言ってイエスを嘲った。
23:38 「これはユダヤ人の王」と書いた札も、イエスの頭の上に掲げてあった。
23:39  十字架にかけられていた犯罪人の一人は、イエスをののしり、「おまえはキリストではないか。自分とおれたちを救え」と言った。
23:40 すると、もう一人が彼をたしなめて言った。「おまえは神を恐れないのか。おまえも同じ刑罰を受けているではないか。
23:41 おれたちは、自分のしたことの報いを受けているのだから当たり前だ。だがこの方は、悪いことを何もしていない。」
23:42 そして言った。「イエス様。あなたが御国に入られるときには、私を思い出してください。」
23:43 イエスは彼に言われた。「まことに、あなたに言います。あなたは今日、わたしとともにパラダイスにいます。」

聖書引用:新改訳2017 ©2017 新日本聖書刊行会


日毎の糧

 70kgもする十字架を背負ったイエス様が、もうこれ以上歩けなくなると、兵士たちはシモンというクレネ人を捕まえて、十字架を背負わせました。彼はむりやり十字架を背負わされましたが、十字架の福音の光が彼を照らし、彼と彼の家族は初代教会の福音の働き人として貴く用いられるようになりました。ローマ16:13に出てくるルポスは、シモンの息子だと言われています。大勢の民衆や泣き悲しむ女たちの群れがイエス様のことを嘆き悲しみました。しかし、その時が来ると子を産んだことのない女が幸いだというほどのむごい裁きの時が来るようになります。彼らは、十字架を見ながら同情の涙を流すよりも、自分の罪に対して悔い改めの涙を流すべきです。

どくろと呼ばれているところに来ると、兵士たちは、イエス様を十字架に釘付けしました。むごい十字架の苦しみの中で、イエス様は、ご自分を十字架に釘付けする罪人達を赦すだけでなく、彼らの罪を赦してくださいと、とりなしの祈りを捧げました。「父よ。彼らをお赦しください。彼らは、何をしているのか自分で分からないのです」。しかし、指導者たちや兵士たちは、自分を救ってみろ、と言ってあざ笑いました。十字架上の犯罪人の一人は、イエス様に対して悪口を言いました。ところが、もう一人がその人を責めました。彼は、それまでに多くの罪を犯し、十字架刑になるほどの大きな罪も犯しましたが、死の門の前に来て、やっと神様を恐れるようになりました。十字架につけられている今は、もう善を行なう機会もありませんでした。その時、彼は目をイエス様に向けました。そして、一見身勝手にも思える願いをしました。「イエス様、あなたが御国に入られるときには、私を思い出してください」。イエス様は、彼の切なる願いを聞かれ、彼のたましいをパラダイスに導いてくださいました。



祈り:主よ、どんな状態にあっても、あなたに向かって「イエス様、私を思い出してください」と祈れることを学びます。私を赦し、パラダイスに迎えてください。

一言:犯罪者も救われたことを覚えてください

【日ごとの糧】(daily bread)とは
【日ごとの糧】は個人的に、毎日欠かさず聖書を黙想し、生活と一体化するよう助ける案内書です。今日の御言葉を毎日黙想するためのQT教材です。
三ヶ月ごとに定期的に出版し、4年間で聖書全巻を学ぶことができるように編集されています。
教会の早朝祈り会、家庭礼拝、その他の集まりで今日の御言葉として活用されています。
特に、このような集まりで受けた御言葉の恵みを書いてお互いに発表すれば、聖徒の交わりと信仰の成長に大きな助けとなります。
弊宣教会は1968から【日ごとの糧】を出版しており、現在も複数のスタッフ(幹事、牧師)によって執筆され、3ヶ月ごとに定期的に出版しております。日本UBFの日ごとの糧は、英語・韓国語の日ごとの糧を元に翻訳・編集されたものです。

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