□7月4日(金)
滅亡の危機に陥ったヤコブ
創世記34:1-31(30)
聖書本文
34:1 レアがヤコブに産んだ娘ディナは、その土地の娘たちを訪ねようと出かけて行った。
34:2 すると、その土地の族長であるヒビ人ハモルの子シェケムが彼女を見て、これを捕らえ、これと寝て辱めた。
34:3 彼はヤコブの娘ディナに心を奪われ、この若い娘を愛し、彼女に優しく語りかけた。
34:4 シェケムは父のハモルに言った。「この娘を私の妻にしてください。」
34:5 ヤコブは、シェケムが自分の娘ディナを汚したことを聞いた。息子たちは、そのとき、家畜を連れて野にいた。それでヤコブは、彼らが帰って来るまで黙っていた。
34:6 シェケムの父ハモルは、ヤコブと話し合うためにやって来た。
34:7 ヤコブの息子たちは野から帰って来て、このことを聞いた。息子たちは心を痛め、激しく怒った。シェケムがヤコブの娘と寝て、イスラエルの中で恥辱となることを行ったからである。このようなことは、してはならないことである。
34:8 ハモルは彼らに語りかけた。「私の息子シェケムは、心からあなたがたの娘さんを恋い慕っています。どうか娘さんを息子の嫁にしてください。
34:9 私たちは互いに姻戚関係を結びましょう。あなたがたの娘さんを私たちに下さり、私たちの娘をあなたがたが迎えてください。
34:10 そうして私たちとともに住んでください。この土地は、あなたがたの前に広がっています。ここに住み、自由に行き来し、ここに土地を得てください。」
34:11 シェケムは彼女の父や兄弟たちに言った。「皆さんのご好意を得られるのなら、おっしゃる物を何でも差し上げます。
34:12 どんなに高い花嫁料や贈り物であっても、私にお求めください。おっしゃるとおりに差し上げます。ですから、どうか、あの人を私の妻に下さい。」
34:13 ヤコブの息子たちは、シェケムが自分たちの妹ディナを汚したので、シェケムとその父ハモルをだまそうとして、
34:14 答えた。「割礼を受けていない者に私たちの妹をやるような、そんなことは、私たちにはできません。それは、私たちにとって恥辱となることですから。
34:15 ただし、次の条件でなら同意しましょう。もし、あなたがたの男たちがみな、割礼を受けて、私たちと同じようになるなら、
34:16 私たちの娘たちをあなたがたに嫁がせ、あなたがたの娘たちを妻に迎えましょう。そうして私たちはともに住み、一つの民となりましょう。
34:17 しかし、もし、あなたがたが私たちの言うことを聞かず、割礼を受けないなら、私たちは娘を連れてここを去ります。」
34:18 彼らの言ったことは、ハモルと、ハモルの子シェケムの心にかなった。
34:19 この若者は、ためらわずにそれを実行した。彼はヤコブの娘を愛していたからである。彼は父の家のだれよりも敬われていた。
34:20 ハモルとその子シェケムは自分たちの町の門に行き、町の人々に告げた。
34:21 「あの人たちは私たちに友好的だ。あの人たちをこの地に住まわせ、この地を自由に行き来させよう。この地は、彼らが来ても十分広いのだから。私たちは彼らの娘たちを妻に迎え、私たちの娘たちを彼らに嫁がせよう。
34:22 次の条件でなら、あの人たちは、私たちとともに住んで一つの民となることに同意すると言うのだ。それは、彼らが割礼を受けているように、私たちのすべての男たちが割礼を受けることだ。
34:23 そうすれば、彼らの群れや財産、それにすべての彼らの家畜も、私たちのものになるではないか。さあ、彼らに同意しよう。そうすれば、彼らは私たちとともに住むことになる。」
34:24 その町の門に出入りする者はみな、ハモルとその子シェケムの言うことを聞き入れ、その町の門に出入りする男たちはみな割礼を受けた。
34:25 三日目になって、彼らの傷が痛んでいるとき、ヤコブの二人の息子、ディナの兄シメオンとレビが、それぞれ剣を取って難なくその町を襲い、すべての男たちを殺した。
34:26 彼らはハモルとその子シェケムを剣の刃で殺し、シェケムの家からディナを連れ出した。
34:27 ヤコブの息子たちは、刺し殺された者のところに来て、その町を略奪した。自分たちの妹が汚されたからである。
34:28 彼らは、その人たちの羊や牛やろば、それに町にあるもの、野にあるものを奪い、
34:29 その人たちの全財産、幼子、妻たち、家にあるすべてのものを捕虜にしたり略奪したりした。
34:30 それで、ヤコブはシメオンとレビに言った。「あなたがたは私に困ったことをして、私をこの地の住民カナン人とペリジ人に憎まれるようにしてしまった。私は数では劣っている。彼らが一緒に集まって私を攻め、私を打つなら、私も家の者も根絶やしにされてしまうだろう。」
34:31 彼らは言った。「私たちの妹が遊女のように扱われてもよいのですか。」
聖書 新改訳2017 ©2017 新日本聖書刊行会 許諾番号 4-1009-2
日毎の糧
ヤコブは豊かな地シェケムに定着して、幸せに生きようとしました。しかし予期しない出来事が起こりました。娘ディナが、その土地の娘たちを訪ねようとして出かけましたが、その土地の族長の子シェケムから、性的暴行を受けてしまいました。これは、ヤコブが神様に捧げた誓願を守らずに、この世の豊かさを求めようとした結果でした。ヤコブは、誓願をささげたベテルへ上ってそこに定着し、神様に仕えて生きるべきでしたが(28:13-22)、この世と妥協しようとしました。すると、思いもしなかった試練に遭いました。この世の豊かさを求めたロトが、ソドムの文化に影響されたように、ヤコブもこの世と妥協しようとした結果、辱めを受けるようになりました。
族長は、ヤコブと婚姻関係を結んでディナを嫁に迎えようとしました。この時、ヤコブの子供たちは、シェケムの全ての男子が割礼を受ければ結婚を認めると言って、騙しました。シェケムの人々はこの条件に同意し、シェケムのすべての男子は割礼を受けました。この時、ヤコブの息子シメオンとレビがそれぞれの剣を取って、難なくその町を襲い、すべての男子を殺しました。その結果、ヤコブの家とシェケムの人たちとの間に武力衝突が起こる危機にさらされました。ヤコブの愛する娘が辱めを受けただけでなく、息子たちの起こしたトラブルによって、シェケムの人たちから敵対心を持たれるようにもなりました。ヤコブは初めから、はっきりとした霊的な方向もって、それに従って行くべきでした。そうしなかったために、耐えがたい試練に遭いました。ヤコブは、信仰ではなく妥協の実を刈り取るようになりました。
祈り:聖なる神様、私が妥協しないようにお守りください。私が信仰の決断をして、信仰の実を刈り取ることができるように助けて下さい。
一言:信仰の決断、信仰の実
【日ごとの糧】(daily bread)とは
【日ごとの糧】は個人的に、毎日欠かさず聖書を黙想し、生活と一体化するよう助ける案内書です。今日の御言葉を毎日黙想するためのQT教材です。
三ヶ月ごとに定期的に出版し、4年間で聖書全巻を学ぶことができるように編集されています。
教会の早朝祈り会、家庭礼拝、その他の集まりで今日の御言葉として活用されています。
特に、このような集まりで受けた御言葉の恵みを書いてお互いに発表すれば、聖徒の交わりと信仰の成長に大きな助けとなります。
弊宣教会は1968から【日ごとの糧】を出版しており、現在も複数のスタッフ(幹事、牧師)によって執筆され、3ヶ月ごとに定期的に出版しております。日本UBFの日ごとの糧は、英語・韓国語の日ごとの糧を元に翻訳・編集されたものです。
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