□12月2日(火)
良心を保つように、最善を尽くしたパウロ
使徒の働き24:1-27(16)
聖書本文
24:1 五日後、大祭司アナニアは、数人の長老たち、およびテルティロという弁護士と一緒に下って来て、パウロを総督に告訴した。
24:2 パウロが呼び出され、テルティロが訴えを述べ始めた。「フェリクス閣下。閣下のおかげで、私たちはすばらしい平和を享受しております。また、閣下のご配慮により、この国に改革が進行しております。
24:3 私たちは、あらゆる面で、また、いたるところでこのことを認め、心から感謝しております。
24:4 さて、これ以上ご迷惑をおかけしないために、私たちが手短に申し上げることを、ご寛容をもってお聞きくださるようお願いいたします。
24:5 実は、この男はまるで疫病のような人間で、世界中のユダヤ人の間に騒ぎを起こしている者であり、ナザレ人の一派の首謀者であります。
24:6 この男は宮さえも汚そうとしましたので、私たちは彼を捕らえました。
24:8 閣下ご自身で彼をお調べくだされば、私たちが彼を訴えております事柄のすべてについて、よくお分かりいただけると思います。」
24:9 ユダヤ人たちもこの訴えに同調し、そのとおりだと主張した。
24:10 そのとき、総督がパウロに話すよう合図したので、パウロは次のように答えた。「閣下が長年、この民の裁判をつかさどってこられたことを存じておりますので、喜んで私自身のことを弁明いたします。
24:11 お調べになれば分かることですが、私が礼拝のためにエルサレムに上ってから、まだ十二日しかたっていません。
24:12 そして、宮でも会堂でも町の中でも、私がだれかと論争したり、群衆を扇動したりするのを見た者はいません。
24:13 また、今私を訴えていることについて、彼らは閣下に証明できないはずです。
24:14 ただ、私は閣下の前で、次のことは認めます。私は、彼らが分派と呼んでいるこの道にしたがって、私たちの先祖の神に仕えています。私は、律法にかなうことと、預言者たちの書に書かれていることを、すべて信じています。
24:15 また私は、正しい者も正しくない者も復活するという、この人たち自身も抱いている望みを、神に対して抱いています。
24:16 そのために、私はいつも、神の前にも人の前にも責められることのない良心を保つように、最善を尽くしています。
24:17 さて私は、同胞に対して施しをするために、またささげ物をするために、何年ぶりかで帰って来ました。
24:18 そのささげ物をし、私は清めを済ませて宮の中にいるのを見られたのですが、別に群衆もおらず、騒ぎもありませんでした。
24:19 ただ、アジアから来たユダヤ人が数人いました。もしその人たちに、私に対して何か非難したいことがあるなら、彼らが閣下の前に来て訴えるべきだったのです。
24:20 そうでなければ、ここにいる人たちが、最高法院の前に立っていたときの私に、どんな不正を見つけたのかを言うべきです。
24:21 私は彼らの中に立って、ただ一言、『死者の復活のことで、私は今日あなたがたの前でさばかれている』と叫んだにすぎません。」
24:22 フェリクスは、この道についてかなり詳しく知っていたので、「千人隊長リシアが下って来たら、おまえたちの事件に判決を下すことにする」と言って、裁判を延期した。
24:23 そして百人隊長に、パウロを監禁するように、しかし、ある程度の自由を与え、仲間の者たちが彼の世話をするのを妨げないように、と命じた。
24:24 数日後、フェリクスはユダヤ人である妻ドルシラとともにやって来て、パウロを呼び出し、キリスト・イエスに対する信仰について話を聞いた。
24:25 しかし、パウロが正義と節制と来たるべきさばきについて論じたので、フェリクスは恐ろしくなり、「今は帰ってよい。折を見て、また呼ぶことにする」と言った。
24:26 また同時に、フェリクスにはパウロから金をもらいたい下心があったので、何度もパウロを呼び出して語り合った。
24:27 二年が過ぎ、ポルキウス・フェストゥスがフェリクスの後任になった。しかし、フェリクスはユダヤ人たちの機嫌を取ろうとして、パウロを監禁したままにしておいた。
聖書 新改訳2017 ©2017 新日本聖書刊行会 許諾番号 4-1009-2
日毎の糧
ユダヤ人たちはすぐにパウロを死刑に追い込もうと動きました。証拠もないのに彼を訴え、テルティロという弁護士まで雇って、総督フェリクスに告訴しました(1–9)。パウロは恐れで心が怯んでもおかしくありませんでした。しかし、彼は落ち着いてエルサレムでの自分の行動を説明しました(11–13)。
ユダヤ人たちがパウロを憎んだのは、彼が「この道」に従う者として神を礼拝していたからでした。しかし、パウロは「神の前にも人との前にも責められることのない良心を保つように、最善を尽くして」(16)きたため、不正と非難のただ中にあっても、心が揺らぐことはありませんでした。淡々と事実だけを語るパウロの言葉は、ユダヤ人たちの誇張だらけの訴えよりもはるかに筋が通っていました。しかし、フェリクスは、千人隊長リシア(23:26)が来てから判決を下すと言って、判決を延期してしまいました。数日後、パウロはフェリクスに呼び出されて、イエスに対する信仰について話しました。しかし、正義と節制と来るべきさばきについて聞いたフェリクスは、恐ろしくなって、途中で話を聞くのをやめました(25)。この後もパウロを何度も呼び出して語り合いましたが、フェリクスは賄賂をもらうために彼を利用することしか考えず、いつまでたってもパウロを釈放しませんでした。
良心を保ち、最善を尽くして生きたパウロと、腐敗に満ちたユダヤ人たちや総督フェリクスの姿は、実に対照的です。けれども、パウロが苦しんだ本当の理由は、人々の不正のではありません。主イエスご自身が、彼を御手の中に置き、ローマで証しをするためのご計画を進めておられたのです(23:11)。不当な扱いを受け、監禁生活を強いられたパウロでしたが、主の御手によって確かに守られていたのです。
祈り:父なる神様、真理と正義を追い求めるよりは、事なかれ主義で楽に済ませようとする自分がいます。どうか恵みの福音によって、日々私の良心が保たれ、真理を愛し、主の前で最善を尽くすように助けて下さい。
一言:良心を保って最善を尽くす
【日ごとの糧】(daily bread)とは
【日ごとの糧】は個人的に、毎日欠かさず聖書を黙想し、生活と一体化するよう助ける案内書です。今日の御言葉を毎日黙想するためのQT教材です。
三ヶ月ごとに定期的に出版し、4年間で聖書全巻を学ぶことができるように編集されています。
教会の早朝祈り会、家庭礼拝、その他の集まりで今日の御言葉として活用されています。
特に、このような集まりで受けた御言葉の恵みを書いてお互いに発表すれば、聖徒の交わりと信仰の成長に大きな助けとなります。
弊宣教会は1968から【日ごとの糧】を出版しており、現在も複数のスタッフ(幹事、牧師)によって執筆され、3ヶ月ごとに定期的に出版しております。日本UBFの日ごとの糧は、英語・韓国語の日ごとの糧を元に翻訳・編集されたものです。
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