□3月8日(土)
滅びから逃れたロト
創世記19:1-38(29)
聖書本文
19:1 その二人の御使いは、夕暮れにソドムに着いた。ロトはソドムの門のところに座っていた。ロトは彼らを見ると、立ち上がって彼らを迎え、顔を地に付けて伏し拝んだ。
19:2 そして言った。「ご主人がた。どうか、このしもべの家に立ち寄り、足を洗って、お泊まりください。そして、朝早く旅を続けてください。」すると彼らは言った。「いや、私たちは広場に泊まろう。」
19:3 しかし、ロトがしきりに勧めたので、彼らは彼のところに立ち寄り、家の中に入った。ロトは種なしパンを焼き、彼らのためにごちそうを作った。こうして彼らは食事をした。
19:4 彼らが床につかないうちに、その町の男たち、ソドムの男たちが若い者から年寄りまで、その家を取り囲んだ。すべての人が町の隅々からやって来た。
19:5 そして、ロトに向かって叫んだ。「今夜おまえのところにやって来た、あの男たちはどこにいるのか。ここに連れ出せ。彼らをよく知りたいのだ。」
19:6 ロトは戸口にいる彼らのところへ出て行き、自分の背後の戸を閉めた。
19:7 そして言った。「兄弟たちよ、どうか悪いことはしないでください。
19:8 お願いですから。私には、まだ男を知らない娘が二人います。娘たちをあなたがたのところに連れて来ますから、好きなようにしてください。けれども、あの人たちには何もしないでください。あの人たちは、私の屋根の下に身を寄せたのですから。」
19:9 しかし、彼らは言った。「引っ込んでいろ。」そして言った。「こいつはよそ者のくせに、さばきをするのか。さあ、おまえを、あいつらよりもひどい目にあわせてやろう。」彼らはロトのからだに激しく迫り、戸を破ろうと近づいた。
19:10 すると、あの人たちが手を伸ばして、ロトを自分たちのいる家の中に引き入れて、戸を閉めた。
19:11 家の戸口にいた者たちは、小さい者から大きい者まで目つぶしをくらったので、彼らは戸口を見つけようとする力も萎えた。
19:12 その人たちはロトに言った。「ほかにだれか、ここに身内の者がいますか。あなたの婿や、あなたの息子、娘、またこの町にいる身内の者をみな、この場所から連れ出しなさい。
19:13 私たちは、この場所を滅ぼそうとしています。彼らの叫びが【主】の前に大きいので、【主】はこの町を滅ぼそうと、私たちを遣わされたのです。」
19:14 そこで、ロトは出て行き、娘たちを妻にしていた婿たちに告げた。「立って、この場所から出て行きなさい。【主】がこの町を滅ぼそうとしておられるから。」しかし、彼の婿たちには、それは悪い冗談のように思われた。
19:15 夜が明けるころ、御使いたちはロトをせき立てて言った。「さあ立って、あなたの妻と、ここにいる二人の娘を連れて行きなさい。そうでないと、あなたはこの町の咎のために滅ぼし尽くされてしまいます。」
19:16 彼はためらっていた。するとその人たちは、彼の手と彼の妻の手と、二人の娘の手をつかんだ。これは、彼に対する【主】のあわれみによることである。その人たちは彼を連れ出し、町の外で一息つかせた。
19:17 彼らを外に連れ出したとき、その一人が言った。「いのちがけで逃げなさい。うしろを振り返ってはいけない。この低地のどこにも立ち止まってはならない。山に逃げなさい。そうでないと滅ぼされてしまうから。」
19:18 ロトは彼らに言った。「主よ、どうか、そんなことになりませんように。
19:19 ご覧ください。このしもべはあなたのご好意を受けました。そしてあなたは私に大きな恵みを施してくださり、私のいのちを生かしてくださいました。しかし、私は山にまで逃げることはできません。おそらく、わざわいが追いついて、私は死ぬでしょう。
19:20 ご覧ください。あそこの町は逃れるのに近く、しかもあんなに小さい町です。どうか、あそこに逃げさせてください。あんなに小さいではありませんか。私のいのちを生かしてください。」
19:21 その人は彼に言った。「よろしい。わたしはこのことでも、あなたの願いを受け入れ、あなたの言うあの町を滅ぼさない。
19:22 急いであそこへ逃れなさい。あなたがあそこに着くまでは、わたしは何もできないから。」それゆえ、その町の名はツォアルと呼ばれた。
19:23 太陽が地の上に昇り、ロトはツォアルに着いた。
19:24 そのとき、【主】は硫黄と火を、天から、【主】のもとからソドムとゴモラの上に降らせられた。
19:25 こうして主は、これらの町々と低地全体と、その町々の全住民と、その地の植物を滅ぼされた。
19:26 ロトのうしろにいた彼の妻は、振り返ったので、塩の柱になってしまった。
19:27 翌朝早く、アブラハムは、かつて【主】の前に立ったあの場所に行った。
19:28 彼は、ソドムとゴモラの方、それに低地の全地方を見下ろした。彼が見ると、なんと、まるでかまどの煙のように、その地から煙が立ち上っていた。
19:29 神が低地の町々を滅ぼしたとき、神はアブラハムを覚えておられた。それで、ロトが住んでいた町々を滅ぼしたとき、神はロトをその滅びの中から逃れるようにされた。
19:30 ロトはツォアルから上って、二人の娘と一緒に、山の上に住んだ。ツォアルに住むのを恐れたからである。彼と二人の娘は洞穴の中に住んだ。
19:31 姉は妹に言った。「父は年をとっています。この地には、私たちのところに、世のしきたりにしたがって来てくれる男の人などいません。
19:32 さあ、父にお酒を飲ませ、一緒に寝て、父によって子孫を残しましょう。」
19:33 その夜、娘たちは父親に酒を飲ませ、姉が入って行き、一緒に寝た。ロトは、彼女が寝たのも起きたのも知らなかった。
19:34 その翌日、姉は妹に言った。「ご覧なさい。私は昨夜、父と寝ました。今夜も父にお酒を飲ませましょう。そして、あなたが行って、一緒に寝なさい。そうして、私たちは父によって子孫を残しましょう。」
19:35 その夜も、娘たちは父親に酒を飲ませ、妹が行って、一緒に寝た。ロトは、彼女が寝たのも起きたのも知らなかった。
19:36 こうして、ロトの二人の娘は父親によって身ごもった。
19:37 姉は男の子を産んで、その子をモアブと名づけた。彼は今日のモアブ人の先祖である。
19:38 妹もまた、男の子を産んで、その子をベン・アミと名づけた。彼は今日のアンモン人の先祖である。
聖書 新改訳2017 ©2017 新日本聖書刊行会 許諾番号 4-1009-2
日毎の糧
アブラハムと別れた後、ロトは低地の町々に住み、ソドムに天幕を移すようになっていました(13:12)。彼は御使いたちを見ると、アブラハムと同じように、伏し拝んで彼らを家に招きました。そして、ごちそうを作ってもてなしました。しかし、夜になるとソドムの男たちがやってきて、旅人たちに性的暴力を加えようとしました。ロトは、自分の二人の娘を差し出すという考えられないような方法で問題を解決しようとしました。結局、御使いたちがロトを助けてくれました。そして御使いたちは、これから滅ぶソドムから、ロトと彼の家族を救おうと、その町から出て行くように促しました。しかし、彼の婿たちは、その言葉を悪い冗談のように受け止めました。ロト自身もソドムでの豊かな生活に未練があったのか、出て行くのをためらいました。すると、御使いたちは彼の手と彼の妻の手と、ふたりの娘の手をつかんで彼らを外まで連れ出しました。これは、主の彼に対するあわれみによるものでした。特に神様はソドムを滅ぼす時に、アブラハムの祈りを覚えてロトと彼の家族を救ってくださいました。
アブラハムはロトと一緒に信仰生活を始めました。アブラハムは苦難の中でも約束の御言葉を信じて約束の地に留まりました。狭い道、信仰の道を歩みました。彼は豊かな心を持つ人として成長し、神様の友となりました。滅びるソドムのためにとりなしの祈りを捧げる多くの国の父であり、祈りの人となりました。一方、ロトのほうは自分の知恵に頼り、肉の欲、目の欲に従いました。彼は使命の地を離れて苦難のない広い道を選びました。結局、彼はソドムの滅亡とともにすべてのものを失いました。彼が苦労して得た財産は一日で灰となりました。彼の妻は塩の柱になってしまいました。娘たちは父と寝て子孫を残しました。
祈り:主よ、私が肉の欲と世の貪欲に従って生きてきた罪を心から悔い改めます。これからは神様の御言葉に従って、真理の道に生きます。
一言:信仰によって歩む狭い道
【日ごとの糧】(daily bread)とは
【日ごとの糧】は個人的に、毎日欠かさず聖書を黙想し、生活と一体化するよう助ける案内書です。今日の御言葉を毎日黙想するためのQT教材です。
三ヶ月ごとに定期的に出版し、4年間で聖書全巻を学ぶことができるように編集されています。
教会の早朝祈り会、家庭礼拝、その他の集まりで今日の御言葉として活用されています。
特に、このような集まりで受けた御言葉の恵みを書いてお互いに発表すれば、聖徒の交わりと信仰の成長に大きな助けとなります。
弊宣教会は1968から【日ごとの糧】を出版しており、現在も複数のスタッフ(幹事、牧師)によって執筆され、3ヶ月ごとに定期的に出版しております。日本UBFの日ごとの糧は、英語・韓国語の日ごとの糧を元に翻訳・編集されたものです。
「日ごとの糧に関するご意見・ご要望、メール配信希望・配信停止については、以下のリンク先よりお問い合わせください。
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