□5月11日(主日)
あなたの父たちの国に帰りなさい
創世記31:1-30(3)
聖書本文
31:1 ところで、ヤコブはラバンの息子たちが、「ヤコブはわれわれの父の物をみな取った。父の物で、このすべての富をものにしたのだ」と言っているのを聞いた。
31:2 ヤコブがラバンの態度を見ると、はたして、それは彼に対して以前のようではなかった。
31:3 【主】はヤコブに言われた。「あなたが生まれた、あなたの父たちの国に帰りなさい。わたしは、あなたとともにいる。」
31:4 ヤコブは人を送って、ラケルとレアを自分の群れのいる野に呼び寄せ、
31:5 彼女たちに言った。「私は、あなたたちの父の態度が以前のようではないのに気づいている。しかし、私の父の神は私とともにおられる。
31:6 あなたたちがよく知っているように、私はあなたたちの父に、力を尽くして仕えてきた。
31:7 それなのに、あなたたちの父は私を欺き、私の報酬を何度も変えた。しかし神は、彼が私に害を加えることを許されなかった。
31:8 彼が『ぶち毛のものはあなたの報酬になる』と言えば、群れのすべてがぶち毛のものを産んだ。また、『縞毛のものはあなたの報酬になる』と言えば、群れのすべてが縞毛のものを産んだ。
31:9 こうして神は、あなたたちの父の家畜を取り上げて、私に下さったのだ。
31:10 群れのやぎにさかりがついたとき、私が夢の中で目を上げて見ると、見よ、雌やぎと交尾している雄やぎは、縞毛、ぶち毛、斑毛ばかりであった。
31:11 すると、神の使いが夢の中で私に『ヤコブよ』と言われた。私は『はい』と答えた。
31:12 御使いは言われた。『目を上げて見よ。雌やぎと交尾している雄やぎはみな、縞毛、ぶち毛、斑毛である。ラバンがあなたにしてきたことはみな、わたしが見た。
31:13 わたしは、あのベテルの神だ。あなたはそこで、石の柱に油注ぎをし、わたしに誓願を立てた。さあ立って、この土地を出て、あなたの生まれた国に帰りなさい。』」
31:14 ラケルとレアは答えた。「私たちの父の家には、相続財産で私たちの取り分がまだあるでしょうか。
31:15 私たちは父に、よそ者と見なされているのではないでしょうか。あの人は私たちを売り、しかもその代金を食いつぶしたのですから。
31:16 神が私たちの父から取り上げた富は、すべて私たちのもの、また子どもたちのものです。さあ、神があなたにお告げになったことを、すべてなさってください。」
31:17 そこでヤコブは立って、彼の子たち、妻たちをらくだに乗せ、
31:18 また、すべての家畜と、彼が得たすべての財産、彼がパダン・アラムで自分のものとした家畜を連れて、カナンの地にいる父イサクのところへ向かった。
31:19 そのとき、ラバンは自分の羊の毛を刈りに出ていた。ラケルは、父が所有しているテラフィムを盗み出した。
31:20 ヤコブはアラム人ラバンを欺いて、自分が逃げるのを彼に知られないようにした。
31:21 彼は自分のものをすべて持って逃げた。彼は立ち去ってあの大河を渡り、ギルアデの山地の方へ向かった。
31:22 三日目に、ヤコブが逃げたことがラバンに知らされた。
31:23 ラバンは身内の者たちを率いて、七日の道のりを追って行き、ギルアデの山地でヤコブに追いついた。
31:24 神は夜、夢でアラム人ラバンに現れて仰せられた。「あなたは気をつけて、ヤコブと事の善悪を論じないようにしなさい。」
31:25 ラバンはヤコブに追いついた。そのとき、ヤコブは山地に天幕を張っていたが、ラバンもギルアデの山地に身内の者たちと天幕を張った。
31:26 ラバンはヤコブに言った。「何ということをしたのか。私を欺いて、娘たちを、剣で捕らえられた者のように引いて行くとは。
31:27 なぜ、あなたは逃げ隠れて私を欺き、私に知らせなかったのか。タンバリンや竪琴で喜び歌って、あなたを送り出しただろうに。
31:28 しかもあなたは、私の孫や娘たちに口づけもさせなかった。あなたは全く愚かなことをしたものだ。
31:29 私には、あなたがたに害を加える力があるが、昨夜、あなたがたの父の神が私に、『あなたは気をつけて、ヤコブと事の善悪を論じないようにせよ』と告げられた。
31:30 それはそうと、あなたは、あなたの父の家がどうしても恋しくなって出て行ったのだろうが、なぜ私の神々を盗んだのか。」
聖書 新改訳2017 ©2017 新日本聖書刊行会 許諾番号 4-1009-2
日毎の糧
ヤコブが富むようになると、ラバンとその息子たちの彼に対する態度が、以前のようではなくなりました。ヤコブは不安にならずにはいられませんでした。その時、神様が現れて、「あなたが生まれた、あなたの父たちの国に帰りなさい。」と命じられました。神様は、ヤコブが求めていたものを全て得たからといって、そこに安住することを願われませんでした。約束の地、相続の地に帰り、神様が彼に置かれた御旨を成し遂げることを願われました。ヤコブにとって、この御言葉に従うことは容易なことではありませんでした。まずラバンがすぐには行かせてくれないことを覚悟しなければなりませんでした。また、過去自分を殺そうと考えた兄エサウと対面しなければなりませんでした。御言葉に聞き従うことには困難が伴います。しかし、神様が私たちとともにいて下さるという約束を知っている時、従うことができます(3)。
ヤコブは自分の持ち物全部を持って、ラバンに知られないようにこっそりと出発しました。しかし三日目にラバンがそのことを知るようになると、ヤコブのあとを追ってきました。ヤコブは、自分の命を奪われることは勿論、妻たちと全ての持ち物を失う危機に陥りました。しかし、神様は夜、夢にアラム人ラバンに現れました。ヤコブと、事の善悪を論じないようにしなさい、と命令しました。神様から警告を受けたラバンは、「なぜ前もって知らせてくれなかったのか。タンバリンや立琴で喜び歌って送り出しただろうに」とヤコブに言うだけで、害を与えませんでした。神様は約束どおり、ヤコブとともにいてくださり、彼を守って下さいました。
祈り:主よ、現実に安住することより、主の御旨に従って生きることを願います。苦難が予想されますが、信仰によって、御言葉に聞き従います。
一言:従う者とともにおられる神様
【日ごとの糧】(daily bread)とは
【日ごとの糧】は個人的に、毎日欠かさず聖書を黙想し、生活と一体化するよう助ける案内書です。今日の御言葉を毎日黙想するためのQT教材です。
三ヶ月ごとに定期的に出版し、4年間で聖書全巻を学ぶことができるように編集されています。
教会の早朝祈り会、家庭礼拝、その他の集まりで今日の御言葉として活用されています。
特に、このような集まりで受けた御言葉の恵みを書いてお互いに発表すれば、聖徒の交わりと信仰の成長に大きな助けとなります。
弊宣教会は1968から【日ごとの糧】を出版しており、現在も複数のスタッフ(幹事、牧師)によって執筆され、3ヶ月ごとに定期的に出版しております。日本UBFの日ごとの糧は、英語・韓国語の日ごとの糧を元に翻訳・編集されたものです。
「日ごとの糧に関するご意見・ご要望、メール配信希望・配信停止については、以下のリンク先よりお問い合わせください。
(お問い合わせページのリンク先)」