□7月2日(水)
あなたの名はもうヤコブとは呼ばれない。イスラエルだ
創世記32:1-32(28)
聖書本文
32:1 さて、ヤコブが旅を続けていると、神の使いたちが彼に現れた。
32:2 ヤコブは彼らを見たとき、「ここは神の陣営だ」と言って、その場所の名をマハナイムと呼んだ。
32:3 ヤコブは、セイルの地、エドムの野にいる兄のエサウに、前もって使いを送った。
32:4 ヤコブは彼らに命じた。「私の主人エサウにこう伝えなさい。『あなた様のしもべヤコブがこう申しております。私はラバンのもとに寄留し、今に至るまでとどまっていました。
32:5 私には牛、ろば、羊、それに男女の奴隷がおります。それで私の主人であるあなた様にお知らせして、ご好意を得ようと使いをお送りしました。』」
32:6 使者は、ヤコブのもとに帰って来て言った。「兄上エサウ様のもとに行って参りました。あの方も、あなたを迎えにやって来られます。四百人があの方と一緒にいます。」
32:7 ヤコブは非常に恐れ、不安になった。それで彼は、一緒にいる人々や、羊や牛やらくだを二つの宿営に分けた。
32:8 「たとえエサウが一つの宿営にやって来て、それを打っても、もう一つの宿営は逃れられるだろう」と考えたのである。
32:9 ヤコブは言った。「私の父アブラハムの神、私の父イサクの神よ。私に『あなたの地、あなたの生まれた地に帰れ。わたしはあなたを幸せにする』と言われた【主】よ。
32:10 私は、あなたがこのしもべに与えてくださった、すべての恵みとまことを受けるに値しない者です。私は一本の杖しか持たないで、このヨルダン川を渡りましたが、今は、二つの宿営を持つまでになりました。
32:11 どうか、私の兄エサウの手から私を救い出してください。兄が来て、私を、また子どもたちとともにその母親たちまでも打ちはしないかと、私は恐れています。
32:12 あなたは、かつて言われました。『わたしは必ずあなたを幸せにし、あなたの子孫を、多くて数えきれない海の砂のようにする』と。」
32:13 その夜をそこで過ごしてから、ヤコブは自分が手に入れたものの中から、兄エサウへの贈り物にするものを選び出した。
32:14 雌やぎ二百匹、雄やぎ二十匹、雌羊二百匹、雄羊二十匹、
32:15 乳らくだ三十頭とその子、雌牛四十頭、雄牛十頭、雌ろば二十頭、雄ろば十頭。
32:16 彼は、しもべたちの手にそれぞれ一群れずつを渡し、しもべたちに言った。「私の先を進め。群れと群れの間には距離をおけ。」
32:17 また、先頭の者に命じた。「もし私の兄エサウがあなたに会い、『あなたは、だれに属する者か。どこへ行くのか。あなたの前のこれらのものは、だれのものか』と尋ねたら、
32:18 『これらは、あなた様のしもべヤコブのものでございます。ご主人のエサウ様に差し上げる贈り物でございます。ご覧ください。ヤコブもうしろにおります』と答えよ。」
32:19 彼は第二の者にも、第三の者にも、群れ群れについて行くすべての者に命じた。「あなたがたがエサウに出会ったら、これと同じことを告げよ。
32:20 また、『ご覧ください。あなた様のしもべヤコブは、私どものうしろにおります』と言え。」ヤコブは、「自分の先に行く贈り物で彼をなだめ、その後で彼と顔を合わせよう。もしかすると、私を受け入れてくれるかもしれない」と思ったのである。
32:21 こうして贈り物は彼より先に渡って行ったが、彼自身は、その夜、宿営にとどまっていた。
32:22 その夜、彼は起き上がり、二人の妻と二人の女奴隷、そして十一人の子どもたちを連れ出し、ヤボクの渡し場を渡った。
32:23 彼らを連れ出して川を渡らせ、また自分の所有するものも渡らせた。
32:24 ヤコブが一人だけ後に残ると、ある人が夜明けまで彼と格闘した。
32:25 その人はヤコブに勝てないのを見てとって、彼のももの関節を打った。ヤコブのももの関節は、その人と格闘しているうちに外れた。
32:26 すると、その人は言った。「わたしを去らせよ。夜が明けるから。」ヤコブは言った。「私はあなたを去らせません。私を祝福してくださらなければ。」
32:27 その人は言った。「あなたの名は何というのか。」彼は言った。「ヤコブです。」
32:28 その人は言った。「あなたの名は、もうヤコブとは呼ばれない。イスラエルだ。あなたが神と、また人と戦って、勝ったからだ。」
32:29 ヤコブは願って言った。「どうか、あなたの名を教えてください。」すると、その人は「いったい、なぜ、わたしの名を尋ねるのか」と言って、その場で彼を祝福した。
32:30 そこでヤコブは、その場所の名をペヌエルと呼んだ。「私は顔と顔を合わせて神を見たのに、私のいのちは救われた」という意味である。
32:31 彼がペヌエルを通り過ぎたころ、太陽は彼の上に昇ったが、彼はそのもものために足を引きずっていた。
32:32 こういうわけで、イスラエルの人々は今日まで、ももの関節の上の、腰の筋を食べない。ヤコブが、ももの関節、腰の筋を打たれたからである。
聖書 新改訳2017 ©2017 新日本聖書刊行会 許諾番号 4-1009-2
日毎の糧
ラバンとの葛藤は解決しましたが、ヤコブにはエサウとの問題がまだ残っていました。神様が御使いたちを遣わしましたが、ヤコブの不安は消えませんでした。特に、エサウが四百人を引き連れてやって来ていることを聞いて、非常に恐れました。それで、ヤコブはアブラハムの神様、イサクの神様が救い出してくださるように祈り求めました。それでも不安が消えなかったので、多くの贈り物を準備しました。それも三つの群れに分けて段階的にエサウの心を宥めようとしました。しかし、相変わらず恐れは消えることがありませんでした。ヤコブは二人の妻と二人の女奴隷と、十一人の子どもたちを連れて、ヤボクの渡し場を渡らせましたが、自分だけ一人で後に残りました。すると、神様が現れ、ヤコブと格闘されました。神様はヤコブのももの関節を打ち、彼の不信と自己義認(自分の行ないによって神に義と認められようとすること)、強い人間性を徹底的に砕かれました。ヤコブは全てを下ろして、ただ神様だけに頼るようになりました。ヤコブは、今まで信仰によって生きると言いながら、実際は自分の正しさと知恵に頼って生きてきました。神様はそんな彼と格闘して下さり、彼の強い自我は砕かれました。神様は、彼を神様だけに頼る人へと変えて下さいました。神様は、私たちがただ神様に頼る霊的な人になるように、私たちの内面の罪の問題と格闘して下さいます。
神様は、「ヤコブ(かかとをつかむ、の意)」という名前を、「イスラエル(神が支配される、の意)」へと変えてくださいました。以前のヤコブは、自分の努力で人々に勝とうとしました。しかし、神様と格闘した後からは、自我が砕かれ霊的な人へと生まれ変わりました。彼は、ついに神様と対面する祝福を受けました。真の祝福は、多くの所有もしくは自己実現から来るものではありません。神様と人格的に出会い、内面が生まれ変わる時、真の幸せを得るようになります。
祈り:主よ、決定的瞬間に所有が助けにならないことを学びます。どうか、私の自我を砕いてくださり、主だけに頼る者に私を変えてください。
一言:神様に出会うと、変えられる
【日ごとの糧】(daily bread)とは
【日ごとの糧】は個人的に、毎日欠かさず聖書を黙想し、生活と一体化するよう助ける案内書です。今日の御言葉を毎日黙想するためのQT教材です。
三ヶ月ごとに定期的に出版し、4年間で聖書全巻を学ぶことができるように編集されています。
教会の早朝祈り会、家庭礼拝、その他の集まりで今日の御言葉として活用されています。
特に、このような集まりで受けた御言葉の恵みを書いてお互いに発表すれば、聖徒の交わりと信仰の成長に大きな助けとなります。
弊宣教会は1968から【日ごとの糧】を出版しており、現在も複数のスタッフ(幹事、牧師)によって執筆され、3ヶ月ごとに定期的に出版しております。日本UBFの日ごとの糧は、英語・韓国語の日ごとの糧を元に翻訳・編集されたものです。
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