□10月15日(水)
すべての人に悔い改めを命じておられます
使徒の働き17:16-34(30)
聖書本文
17:16 さて、パウロはアテネで二人を待っていたが、町が偶像でいっぱいなのを見て、心に憤りを覚えた。
17:17 それでパウロは、会堂ではユダヤ人たちや神を敬う人たちと論じ、広場ではそこに居合わせた人たちと毎日論じ合った。
17:18 エピクロス派とストア派の哲学者たちも何人か、パウロと議論していたが、ある者たちは「このおしゃべりは、何が言いたいのか」と言い、ほかの者たちは「彼は他国の神々の宣伝者のようだ」と言った。パウロが、イエスと復活を宣べ伝えていたからである。
17:19 そこで彼らは、パウロをアレオパゴスに連れて行き、こう言った。「あなたが語っているその新しい教えがどんなものか、知ることができるでしょうか。
17:20 私たちには耳慣れないことを聞かせてくださるので、それがいったいどんなことなのか、知りたいのです。」
17:21 アテネ人も、そこに滞在する他国人もみな、何か新しいことを話したり聞いたりすることだけで、日を過ごしていた。
17:22 パウロは、アレオパゴスの中央に立って言った。「アテネの人たち。あなたがたは、あらゆる点で宗教心にあつい方々だと、私は見ております。
17:23 道を通りながら、あなたがたの拝むものをよく見ているうちに、『知られていない神に』と刻まれた祭壇があるのを見つけたからです。そこで、あなたがたが知らずに拝んでいるもの、それを教えましょう。
17:24 この世界とその中にあるすべてのものをお造りになった神は、天地の主ですから、手で造られた宮にお住みにはなりません。
17:25 また、何かが足りないかのように、人の手によって仕えられる必要もありません。神ご自身がすべての人に、いのちと息と万物を与えておられるのですから。
17:26 神は、一人の人からあらゆる民を造り出して、地の全面に住まわせ、それぞれに決められた時代と、住まいの境をお定めになりました。
17:27 それは、神を求めさせるためです。もし人が手探りで求めることがあれば、神を見出すこともあるでしょう。確かに、神は私たち一人ひとりから遠く離れてはおられません。
17:28 『私たちは神の中に生き、動き、存在している』のです。あなたがたのうちのある詩人たちも、『私たちもまた、その子孫である』と言ったとおりです。
17:29 そのように私たちは神の子孫ですから、神である方を金や銀や石、人間の技術や考えで造ったものと同じであると、考えるべきではありません。
17:30 神はそのような無知の時代を見過ごしておられましたが、今はどこででも、すべての人に悔い改めを命じておられます。
17:31 なぜなら、神は日を定めて、お立てになった一人の方により、義をもってこの世界をさばこうとしておられるからです。神はこの方を死者の中からよみがえらせて、その確証をすべての人にお与えになったのです。」
17:32 死者の復活のことを聞くと、ある人たちはあざ笑ったが、ほかの人たちは「そのことについては、もう一度聞くことにしよう」と言った。
17:33 こうして、パウロは彼らの中から出て行った。
17:34 ある人々は彼につき従い、信仰に入った。その中には、アレオパゴスの裁判官ディオヌシオ、ダマリスという名の女の人、そのほかの人たちもいた。
聖書 新改訳2017 ©2017 新日本聖書刊行会 許諾番号 4-1009-2
日毎の糧
パウロはアテネの町に偶像があることを見ました。当時のアテネは、ローマ、アレクサンドリアと共に、世界三大都市の一つであり、ギリシア哲学者たちの活動舞台でした。ところが、最高の知識を誇っているはずのこの場所に偶像が満ちているのを見て、真理を愛するパウロは霊的な怒りを覚えました。パウロは会堂と広場で日々人々と論じて、福音を伝えました。中にはエピクロス派とストア派の哲学者たちが、パウロと論じ合いました。エピクロス派は、「神と死を恐れずに、精神的な快楽を求め人生を楽しむ」唯物論的な世界観を持った人々でした。ストア派は「理性によって、自分を統制する禁欲的な生活を通して、最高の善に到達」する凡神論的な世界観を持った人々でした。
彼らは知的好奇心を持って、パウロの言葉を聞こうとしました。知的ながらも聖書と神様を知らない人々に福音を伝えることは、やさしいことではありません。パウロは彼らの宗教性を称賛しつつも創造主の神様を紹介しました。創造主とは、超越者でありながらも、人間の歴史に介入する神です。パウロはまた、私たちを救われるイエス様の十字架、罪の悔い改め、からだのよみがえり、さばきについても証ししました。パウロのメッセージは、異教文化圏に住む現代の私たちに、何を話さなければならないのかを教えてくれます。創造主である神様、歴史の神様、十字架の贖い、悔い改めと復活の望み、さばきなど、福音の核心となるメッセージを余すところなく伝えています。悔い改めと復活とさばきのメッセージを伝えることを教えています。アテネでのメッセージは、理性と偶像と哲学で満ちた世俗文化の中で、どのように福音を伝えることができるかを見せてくれる良い例です。
祈り:パウロのように創造主の神様を証しし、キリストの歴史を証しするメッセージを伝えることができるように祈ります。
一言:知性と霊性
【日ごとの糧】(daily bread)とは
【日ごとの糧】は個人的に、毎日欠かさず聖書を黙想し、生活と一体化するよう助ける案内書です。今日の御言葉を毎日黙想するためのQT教材です。
三ヶ月ごとに定期的に出版し、4年間で聖書全巻を学ぶことができるように編集されています。
教会の早朝祈り会、家庭礼拝、その他の集まりで今日の御言葉として活用されています。
特に、このような集まりで受けた御言葉の恵みを書いてお互いに発表すれば、聖徒の交わりと信仰の成長に大きな助けとなります。
弊宣教会は1968から【日ごとの糧】を出版しており、現在も複数のスタッフ(幹事、牧師)によって執筆され、3ヶ月ごとに定期的に出版しております。日本UBFの日ごとの糧は、英語・韓国語の日ごとの糧を元に翻訳・編集されたものです。
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